国の文化審議会は15日、北条鉄道と和歌山電鐵、JR九州の建造物あわせて10件を、国の登録有形文化財に登録するよう文部科学大臣に答申した。近く正式に、登録有形文化財(建造物)として登録される。
北条鉄道で登録有形文化財に登録されるのは、法華口駅、播磨下里駅、長駅の各木造駅舎・プラットホーム、そして法華口駅の便所のあわせて4件。3駅の木造駅舎は、1915年から1918年にかけ、前身の播州鉄道の時代に建築された。法華口駅は、木造平屋建ての本屋と石積みのプラットホーム、播磨下里駅は当時の軽便鉄道法に基づき建設された停車場の本屋建築、また長駅は駅務室にある休憩室や出札口などが特徴。北条鉄道としても、兵庫県としても鉄道施設の文化財登録は初となる。
和歌山電鐵で登録されるのは、伊太祈曽駅のプラットホーム・上屋、検査場の2件と、大池第一橋りょう、大池第二橋りょう、西第二橋りょうのあわせて5件。伊太祈曽駅では、石積みのプラットホームの上に古いレールを転用した上屋が残っており、木造平屋建ての車両検査場も現役で使用されているのが特徴。橋りょうとあわせ、沿線の近代史を伝える重要な遺産で、歴史的価値が高いという。
このほかJR九州の吉都線えびの駅の木造駅舎が登録される。同駅は1912年開業。往時の姿をとどめており、特に出札口や待合室の鉄道景観が特徴としている。