JR四国は25日、8600系特急形直流電車の量産先行車を新造し、2014年6月以降に営業運転すると発表した。
8600系は2両編成で、まず2本を導入する。先頭部に大きな黒色の円形を際立たせたデザインが特徴で、「未来特急」をイメージ。建築デザイン経験のある同社社員がメーカーと共同でデザインした。外観側面には、オレンジとグリーンの帯を使用。座席のカラーもオレンジとグリーンとし、各車両でカラータイプを分ける。座席は、背もたれと連動して座面が前方にスライドするリクライニング式とし、コンセント、可動式枕、大型テーブルなどを設置する。車内設備では、車いす対応多機能トイレ、フルカラータイプの車内表示器、LEDによる客室照明を設ける。最高速度は、時速130キロ。空気バネ車体傾斜方式の車体傾斜機構を採用する。
8600系は来年6月以降、予讃線(高松~松山間)の特急「いしづち」号で、運転を始める予定。
JR四国は、8600系特急形電車を導入し、老朽化した2000系特急形気動車を置き換える。2000系はJR四国の主力車で、営業用としては世界初の振り子式気動車。1989年に試作車が土讃線でデビューして以降、量産車や改良型のN2000系が導入され、四国の各線で特急運用を担っている。土佐くろしお鉄道所有の4両を含めて78両が在籍している。