JR旅客各社と関西の私鉄などは12日、2014年4月1日に鉄道の運賃・料金を値上げすることについて、国土交通大臣に認可申請をおこなった。
運賃の値上げは来春の消費税率の変更にあわせたもので、消費税率の引き上げ相当分(105分の108の割合)を現行に足した額が新しい運賃・料金になる。増税分で生じる端数は四捨五入するのが通常だが、鉄道事業全体として増える収入割合が消費税の引き上げ率を超えないように調整する必要もあり、各社は特定の条件で端数の扱いを変えている。
JR東日本では、SuicaエリアでICカードを利用した際の運賃として、1円単位の運賃を採用する。また山手線内を含む「電車特定区間」でのきっぷの運賃は、増税分の端数を切り上げて、かわりに定期券の割引率を上げる。その結果、普通運賃は、電車特定区間ではICカードを利用する方が安く、電車特定区間以外では区間によってきっぷの方が安くなるという、複雑な運賃体系になる。
JR東日本以外のJR各社や、関西の私鉄では、ICカードが普及していないことなどから、1円単位の運賃は採用しない。
初乗り運賃への対応も各社により異なる。JR東日本の初乗り運賃は、電車特定区間では現在130円だが、端数を切り上げて140円とし、地方交通線を含めたJR東日本内はすべて140円とする。一方、JR東海やJR西日本は端数を切り捨て、現行通りの運賃に据え置く。関西の私鉄では、大手私鉄5社が初乗り運賃を据え置く一方、泉北高速鉄道や北大阪急行電鉄では端数を切り上げて初乗り運賃を10円値上げする。
JRグループの特急などの料金も値上がりする。座席指定席は520円(閑散期は320円)になる。また4月1日発売分からは、自由席特急券と急行券の有効期間が、これまでの2日間から、当日の1日限りに変更される。
このほか、JR東日本は運賃の変更にあわせて、Suicaの発売価格を2000円から1000円に変更する。