JR西日本は14日、線路上の除雪に使う新型のラッセル車両「キヤ143形」を導入すると発表した。ラッセル車の新造は1987年のJR発足以来、JR各社で初めて。
キヤ143形は、事業用の気動車で、車両両端に除雪装置を付けてラッセル車として使用する。除雪装置の「ラッセル翼」は運転室から操作可能で、単線と複線の両方に対応。運転室は両端に設け、前方や車両側面後方の除雪状態を映す確認用カメラも搭載する。
ラッセル車として使用しない期間は、除雪用ラッセル翼を取り外し、けん引車両として使うこともできる。車両が衝突した際に衝撃を低減する構造とするほか、ATS(自動列車停止装置)やEB装置(緊急列車停止装置)の電源が入っていない場合などに警報を発する装置、運転状況や映像音声を記録する装置を設置し、安全性を高める。機関室にはエンジンと変速機を各2台搭載し、安定性を確保。自動消火装置も機関室に設ける。
車体外観は、既存のラッセル車両と同じ朱色を基調とし、前面と運転室側面には斜めのしま模様を配するデザインにする。車両重量は56トンで、最高時速は75キロ。今年3月までに1両編成を2両導入し、既存のラッセル車両を置き換える。同社では、性能試験をしたうえで、北陸本線などで使う予定。
北陸本線の金沢以西では、敦賀地域鉄道部にDD15形ラッセル車が1両在籍している。