新元号「令和」の初日、5月1日は改元や天皇陛下の即位を祝す企画や催しが各地で行われました。鉄道事業者では、記念列車の運行、ヘッドマークの掲出のほか、記念きっぷも数多く発売され、盛況でした。
今回は、それら記念きっぷのうち、都内で発売された「天皇陛下御即位記念乗車券」を中心に紹介します。
東武鉄道
東武の記念乗車券の名称は、「奉祝 天皇陛下御即位記念乗車券」。東武線の主な路線の起点となる浅草、大宮、池袋の3駅とSL「大樹」が発着する下今市駅の硬券乗車券のセットで、同社で活躍中の車両をデザインした台紙がついています。乗車券は各駅発250円区間の片道用で、発売額は1000円。全55駅、計3000セットが発売されました。
西武鉄道
西武は、「天皇陛下御即位」記念乗車券の名称で、厚手のパッケージを使ったグレード感のあるセットでした。パッケージは専用ケースに入っていて、取り出すと両開きのパッケージが現われ、それを左右に開くと硬券タイプの乗車券4枚が出てきます。パッケージ中面には菊や竹などが描かれ、屏風のような仕様。その屏風に、光沢感のある額絵状のきっぷが並ぶデザインになっています。乗車券は、池袋、西武秩父、西武新宿、本川越の各駅発500円区間。それぞれ縁起物とされる亀、麒麟、鳳凰、鶴の絵が券面に大きく描かれています。発売額は2000円。20の駅で、計5000セットが発売されました。
京成電鉄
京成の記念乗車券は、1日乗車券2枚のセット。京成線都内エリアで有効な「下町日和きっぷ」を記念乗車券仕様にしたもので、鳳凰を描いた台紙と、専用封筒つきで発売されました。発売額は1000円。特急停車駅など全20駅、計3000セットが発売されました。
京王電鉄
京王の記念乗車券は、台紙などの表記では「奉祝 天皇陛下御即位記念乗車券」。京王線・井の頭線全線の1日乗車券、聖蹟桜ヶ丘駅発の小児用片道乗車券、新旧5000系の写真入りしおりのセットで、専用封筒つきでした。乗車券の券面には、皇室ゆかりの車両や駅がデザインされ、1日乗車券には、貴賓車500号車、多摩御陵前駅、小児用乗車券には、かつての聖蹟桜ヶ丘駅と旧多摩聖蹟記念館の写真が使われています。発売額は1000円。13駅、計3000セットの発売でした。
小田急電鉄
小田急は、「天皇陛下御即位記念乗車券」の名称で発売。新宿駅からのD型硬券乗車券3枚のセットで、券面にはそれぞれ鳳凰、菊、桐がデザインされています。2つ折りの台紙がついていて、1000円で発売。4つの駅で、計5000セットが発売されました。
東京急行電鉄
東急では、記念入場券が発売。1日は、たまプラーザにある東急百貨店で、3000セットが発売されました。渋谷、長津田、武蔵新田、洗足、上野毛の入場券各2枚を台紙に一体化したデザインで、台紙には「紫式部日記絵巻」の絵が使われています。発売額は1000円。7日(火)10:00から、電車とバスの博物館とネットショップで、各1000セットの発売が予定されています。
京浜急行電鉄
京急の記念乗車券は、軟券乗車券3枚のセット。品川駅から410円区間、新逗子駅から310円区間、三崎口駅から280円区間の乗車券で、券面にはそれぞれ観音崎、葉山しおさい公園、葉山での夕日がデザインされています。専用封筒つきで、発売額は1000円。泉岳寺駅を除く京急線各駅で、計3100セットが発売されました。
東京メトロ
東京メトロの記念乗車券は、皇居に近い二重橋前駅からの区間乗車券6種類を台紙と一体にしたデザイン。専用封筒がついて、1000円で発売されました。二重橋前駅の特設ブースのみでの発売でしたが、朝から長い列ができ、「購入予約券」が配られることに。1日11時の同券配布終了をもって、5000セット完売となりました。
東京都交通局
即位を記念する乗車券は、東京都交通局でも発売されました。封筒、きっぷ本体での表記は「天皇陛下御即位記念券」。大人用の都営交通1日乗車券で、券面には皇居の二重橋などがデザインされています。専用封筒つきで、発売額は700円。日比谷駅、大手町駅で、5月1日~3日の3日間に分けて発売されました。