2019年6月28~29日、日本では初めてとなるG20サミットが大阪で開催されます。これに伴い、大阪では当日を中心として大規模な交通規制が実施される予定です。加えて、鉄道でもテロ対策として、すでに警備が強化されています。ここでは、鉄道・バス利用者への影響が見込まれる内容について、まとめました。
道路規制に伴って鉄道の利用者が大幅に増加?
まず挙げられるのは、G20サミット期間中の鉄道利用者増加です。
サミット当日となる2日間はもちろん、各国の要人が空港と大阪市内を移動する6月27~30日は、大規模な交通規制が実施される予定となっています。この規制は、阪神高速道路だけでなく大阪市内の一般道路でも行われることから、警察や大阪府・大阪市は期間中の自動車使用を控えるよう、呼びかけています。
これに伴って、各鉄道路線では利用者の大幅な増加が見込まれているのです。列車の運行自体は通常通りですが、特に朝ラッシュ時は従来以上の混雑となり、列車に遅れが出ることも予想されます。ふだん鉄道を使っていない方々は事前に経路を調べておくとともに、いつも利用している路線でも時間に余裕をもって移動する必要があるでしょう。
なお、列車の運行で唯一影響が出るのが、通称「ニュートラム」と呼ばれている大阪メトロの南港ポートタウン線です。同線の中ふ頭駅は、G20サミットの会場となるインテックス大阪の最寄り駅となっており、警備上の都合で6月27~29日の3日間は始発から終電まで利用ができません(同駅を通る列車自体は通常通り運行されます)。同駅の利用者は、両隣のトレードセンター前駅またはポートタウン西駅を利用する必要があるので、周辺に行く予定のある方は注意が必要です。
バスは大きな影響も?
これに対し、大阪市内を走る路線バスは大きな影響を受けそうです。インテックス大阪の周辺はもちろん、JR大阪駅や中之島・本町エリア、大阪城周辺などにはG20サミット参加者の宿泊するホテルが立ち並んでいるため、規制実施エリアに含まれています。
こうしたエリアを通行するバスは、一般車と同様に交通規制の影響を受けることになります。さらに、期間中は大阪市内の阪神高速道路がほぼ終日にわたって通行不可となるため、一般道を走る車の量も激増。渋滞に巻き込まれる危険性も大きくなります。期間中は、なるべく鉄道を利用すると共に、バスを利用する際は時間にかなり余裕を持つことが必要でしょう。
また、高速バスにも大きな影響が出ます。大阪市内を発着する多くの路線で、大幅な遅延が見込まれているほか、発着地の変更やG20サミット期間中の全面運休を決定したバス会社もあります。特に、空港リムジンバスは多くの要人が利用する関西国際空港に向かう便だけでなく、大阪国際空港(伊丹空港)への便もほとんどが運休となるため、飛行機を利用する方も注意が必要です。昼行便にも運休や大幅な遅れが発生しますので、特に本数が多い大阪~徳島・高松・鳥取などを利用している方は、予定の変更や鉄道の利用を考えた方が良いでしょう。
コインロッカーやごみ箱が使用停止に
6月24日ごろから6月末日にかけては、JRや大阪メトロ、私鉄各社が駅構内にあるコインロッカーの使用を停止しています。すでに一部の駅では荷物の預け入れができなくなっていて、観光客などは不便を強いられている状態です。
さらに、一部の駅ではコインロッカーだけでなく、手荷物預かり所も営業を中止しています。G20サミットが終わるまでの間、荷物を預ける場所はないと考えた方がよさそうです。大阪へ来られる方は、普段よりも荷物を少なくしたり、宿泊先のホテルなどの荷物預かり状況を事前に確認しておくことをおすすめします。
駅などに設置されているごみ箱も、G20サミット期間中は使用停止措置がとられており、利用できなくなっています。真夏並みに気温が上がることもあるこの時期、水分補給は大切ですが、ごみを自宅やホテルに持ち帰れるよう、ビニール袋などを持ち歩いた方がよいいかもしれません。
G20大阪サミットは、これまで日本で開催されたG7などよりも大規模な国際会議です。世界中から集まる要人の数もケタ違いに多く、そのため交通規制も広範囲・長時間に及びます。期間中はマイカーの利用を控え鉄道を利用すると共に、時間に余裕を持って行動するようにしましょう。