懐かしの特急、快速列車
1990年8月当時のJR北海道管内での特急用車両は、キハ183系、781系の2形式でした。定期列車も5種類と限られ、キハ183系が「北斗」(札幌~函館間)、「おおぞら」(札幌~釧路間)、「オホーツク」(札幌~網走間)、781系が「ホワイトアロー」(旭川~苫小牧間)、「ライラック」(旭川~東室蘭間)でそれぞれ運用。翌9月のダイヤ改正では、札幌~旭川間の特急「スーパーホワイトアロー」新設にあわせて785系が投入され、3形式に増えました。その後、781系は2007年までに全車が廃車に。当時新鋭だった785系は、30年を経て2編成を残すのみとなりました。
長距離を走る列車としては、快速「海峡」もありました。青函トンネルを経由する定期列車で、青森~函館間8往復が設定。筆者は海峡9号に乗り、吉岡海底駅まで乗車。同駅を見学後、今度は11号で函館に向かいました。海底駅の見学も今では過去の話となりました。
札幌近郊で定期運転していた快速列車としては、「マリンライナー」や「空港ライナー」がありました。8月の旅で乗ったのは、711系のマリンライナー。国鉄形の電車に揺られながら眺める石狩湾の光景は格別でした。
その後、北海道における列車名としてのマリンライナーは、2000年に廃止。711系も2015年に引退しました。
新鋭車両と国鉄時代からの車両
一般形電車では、711系のほかに1988年に登場した721系も札幌近郊で走っていました。当時の北海道で電車が運用されていたのは、JRでは津軽海峡線のほか、小樽~旭川間、白石~苫小牧~室蘭間に限られていたため、道内の大部分は気動車が主流。一般車両では国鉄時代からのキハ40系が主体で、路線によってはキハ54系の姿もありました。
急行列車での運用を主体とした車両では、キハ56系も当時は現役。筆者は釧網本線の普通列車と急行「狩勝」で乗車しました。狩勝が急行列車として走ったのは8月まで。この時はあまり意識していませんでしたが、結果的に乗り納めの形になりました。
道内を走る定期急行列車は「はまなす」が最後。2016年、同列車の引退とともに、JRから種別としての急行も姿を消しました。