そしてJRグループ最多車両に
E233系は、まずは2006年に中央快速線用の0番台が登場。2007年からは青梅・五日市線用の0番台、京浜東北・根岸線用の1000番台が投入されました。同年には東海道線用の3000番台も登場。このグループは2011年から本格投入が始まり、宇都宮・高崎線用も製造されました。
次いで、2009年に常磐緩行線用の2000番台、2010年に京葉線用の5000番台、2013年に埼京線用の7000番台、2014年に横浜線用の6000番台と南武線用の8000番台が登場。各線で205系などの従来車両を置き換えていきました。
2020年6月1日現在、E233系の製造数は3287両(うち10両は事故廃車済み)。これはJRグループの旅客用車両としては最多で、国鉄時代に製造された103系の3447両に次ぐ記録となっています。
運用路線も多数です。中央線や京浜東北線、京葉線、上野東京ラインなど、直通路線を含めると、JRだけでも20路線・2系統で運用。さらに東京メトロ千代田線、小田急線、相鉄線、りんかい線、富士急行線へも乗り入れ、運用範囲は1都8県の広範囲にまたがっています。
JR東日本の一般形車両の製造は、既に次期モデルであるE235系にシフトしていますが、E233系もまだまだ製造が続けられます。これは中央快速線に連結するグリーン車分で、2023年度末のサービス開始を目指し、今後116両が製造される予定です。
私鉄の派生車両も多数登場
E231系がそうであったように、E233系をベースとした私鉄車両も生まれています。
小田急電鉄では、千代田線への直通に対応した4000形を投入しました。この車両は、同じく千代田線直通対応車両であるE233系2000番台とは兄弟車のような関係。機器類の共通化はもちろん、車体のデザインも類似したものとなっています。なお、デビューは小田急4000形の方が約2年早く、2007年に営業運転を開始しています。
また、2000番台をベースとした車両として、東京都交通局新宿線用の10-300形も製造されました。この形式の1・2次車はE231系をベースとしていましたが、3次車以降はデザインを大幅に変更。機器類も多くがE233系相当のものとなり、同一形式ながらほぼ別形式のような仕様となりました。
相模鉄道でも、E231系を基にした10000系に引き続き、E233系ベースの11000系と12000系を投入しました。
まず2009年にデビューした11000系は、10000系と同様、ほとんどがベース車両そのままの車両。相鉄らしさはカラーリングなど一部にとどまっています。
一方、2019年にデビューした12000系は、JR線との直通運転にそなえ、デザイン面ではかなりの部分に独自仕様を導入しました。
相鉄グループの「デザインブランドアッププロジェクト」のコンセプトを反映し、外観は「YOKOHAMA NAVYBLUE」で塗装。車内もグレー基調で統一された空間とするなど、相鉄のブランドをアピールする車両として設計されています。