他の車両も既存デザインから一新
2号車は、4~6人用個室を3室設置。さらに車いす対応座席を1室設けています。
車いすに対応した個室は、窓を向いた座席を2席設置。車いす利用者の予約が無い場合は共用スペースとなるということです。
3号車は、1~2人用個室とビュッフェを設置した車両。ビュッフェは、1992年に787系が「つばめ」でデビューした際に設置されていた設備が蘇ったもの。2003年に廃止され普通席へと改造されて以来、約17年ぶりの復活となりました。
普通席に改造されてからも残っていたドーム天井を活かしたビュッフェは、床や壁に銅板を使用。「明るくモダンな空間」になったとしています。また、室内にはリーチイン冷蔵庫を設置し、飲食物を選べるようになっています。
同じく3号車に設置されている個室は、4人用だったセミコンパートメントを2人用としたもの。部屋を仕切るガラス壁などのデザインは、そのまま活かされています。
4号車は「マルチカー」。1両全てがラウンジとなっています。体験メニューや車内イベントで活用するほか、組子の裏に配置されたモニターで、沿線の動画などを放映する予定だといいます。
車端部には、車内イベントや飲食物の販売などで活用するというミニカウンターが設置されちえます。
5号車は、2+1列のリクライニングシートを配置した車両。従来よりも1列減らすことで、ゆったりとした空間となっています。
座席は800系のものをベースとしたということ。テーブルは折りたたみ式の大型タイプとなっており、食事時に使いやすいよう配慮されています。また、背面には革製のポケットを設置しており、多目的に使用できるように。この革製のポケット、鉄道車両では初採用だということです。
荷物棚は、飛行機のような蓋つきの既存品を再利用。頭上のほか、車端部にも収納スペースを設置しており、大きな荷物にも対応しています。
6号車も、5号車と同じく2+1列の座席を配置した車両。床は畳敷きで、5号車とは差別化されています。
車両のイメージにあわせた制服
あわせて、36ぷらす3に乗務する車掌および客室乗務員の制服も、報道陣に初披露されました。デザインは車両と同じく水戸岡さんが担当。車両の外観にあわせ、全体イメージの黒と金色をアクセントとして配したということです。
なお、36ぷらす3に乗務する車掌は、「ゆふいんの森」などのD&S列車を担当できる博多車掌区の選抜乗務員から、さらに選抜されたメンバー15人と、精鋭中の精鋭だということです。
青柳社長は、36ぷらす3のプロジェクトは「ななつ星や新幹線よりも難しかった」と述懐。さらに「最初の経営会議で却下された」と驚きの事実を話しました。当初はコンセプトが具体的ではなく、「何をしたいのかわからなかった」のが原因だそう。しかし、そこから2年半をかけて、ようやくこの車両が実現。この36ぷらす3をとっかかりとし、「九州の魅力を世界に発信していきたい」と、青柳社長は話していました。