鉄道コム

新車両リポート

相鉄への直通はどうなる? 三田線の新型車両「6500形」を詳しく見る

2022年2月20日(日) 鉄道コムスタッフ 西中悠基

ハイブリッドSiC採用の制御機器を搭載

運転台はシンプルな形状。従来通りT型ワンハンドルマスコンを採用し、3枚構成のグラスコクピットとなっています。

6500形の乗務員室
6500形の乗務員室
6500形の運転台
6500形の運転台

制御機器には、三菱電機製のVVVFインバータ制御装置を採用。回路内のダイオードにSiC(シリコンカーバイド)を採用した「ハイブリッドSiC」となっています。

ハイブリッドSiCのVVVFインバータ制御装置
ハイブリッドSiCのVVVFインバータ制御装置

台車は6300形同様にボルスタレス台車を採用。都営地下鉄の形式付与法則により、電動車用は「T-6C」、付随車用は「T-6D」となっています。

電動車用台車T-6C
電動車用台車T-6C
付随車用台車T-6D
付随車用台車T-6D

なお、6500形の車内には、近年の車両では少なくなった点検蓋が床面に設けられています。これは、走行試験時に測定機器を設置することを考慮したためということ。各車両の台車直上、おおよそ主電動機に相当する位置に設置しているといいます。

点検蓋が設けられた6500形の床面
点検蓋が設けられた6500形の床面

相鉄への直通運転はどうなる?

6500形が導入される三田線では、2023年3月に東急線を介して相鉄線との直通運転が始まる予定です。しかしながら、2022年2月時点では詳細なダイヤは発表されておらず、各事業者の車両乗り入れ区間といった概要も不明です。

相鉄・東急直通線用に製造された相鉄20000系
相鉄・東急直通線用に製造された相鉄20000系

一方、相鉄・東急直通線用として2018年にデビューした相鉄20000系が、製造時点で既に直通運転に対応するための準備をしていたように、車両側では直通運転に向けた作業が既に進められていると考えるのが自然です。

都の担当者への質問では、相鉄直通対応に関する言及はありませんでした。しかしながら、6500形の車両を見てみると、相鉄線直通に対応するためと思われる装備がいくつか見られます。

残り2582文字/全文:8172文字

この続きはプレミアム会員になるとご覧になれます

プレミアムサービスのご案内 / 会員の方はチェックイン

プレミアム会員の入会はこちらから

車両間には、将来の転落防止幌設置に対応し、台座のみが設置されています。転落防止幌は、文字通り車両間への旅客転落を防ぐための装備ですが、2022年2月時点で直通先も含めた全駅にホームドアが設置されている6500形では、本来は必要のない装備です。都の担当者によると、具体的な内容への言及は避けたものの、「

鉄道コムの最新情報をプッシュ通知でお知らせします無料で受け取りますか?

関連鉄道リポート

関連鉄道未来ニュース

鉄道コムおすすめ情報

画像

ラストランは2月10日

「青胴車」5001形は2月10日にラストラン。引退前の「乗車会」開催や、引退記念グッズ発売も。

画像

「T4編成」展示へ

1月で引退の「ドクターイエロー」T4編成、先頭車がリニア・鉄道館で保存へ。6月に展示開始予定。

画像

幻の東京圏「改良計画」とは?

1950年代の国鉄は、東京圏を今と違った形に改良する計画を持っていました。その中身とは?

画像

「サステナ車両」5月デビュー

元小田急の西武8000系が、車両基地を出場。デビューは2024年度末から2025年5月末に変更。

画像

撮影スタイルとレンズ選び

撮影スタイルにあったレンズ選びについて、プロカメラマンが解説! 今回は、標準~望遠・超望遠レンズ編です。

画像

1月の鉄道イベント一覧

2025年も鉄道コムをよろしくお願いします。1月の計画立案には、イベント情報をどうぞ。

画像

イベント投稿写真募集中!

鉄道コムでは、臨時列車や基地公開など、さまざまなイベントの投稿写真を募集中! 投稿写真一覧はこちら。