3月12日に実施されたJRグループのダイヤ改正にあわせ、奈良線では103系が引退しました。この車両の引退に際しては、「事前の発表がない『サイレント引退だ』」という声がSNSなどで上がっていました。どういうことなのでしょうか。
奈良線の103系は、かつては同線の主力車両として活躍しており、2018年に205系が阪和線から転用された後も、4両編成2本が残存していました。うち1本は2020年12月に全般検査を出場し、再塗装された綺麗な姿となってファンを驚かせていました。
しかしながら、ダイヤ改正の前日である11日、奈良線の103系は引退。ダイヤ改正後は205系と221系の2形式が走る路線となりました。JR西日本の近畿統括本部広報担当者によると、引退した103系は予備車扱いになるということでもなく、再び運用に入る予定はないといいます。
今回の引退は、事前の発表がなかったために、鉄道ファンの間では驚きをもって受け止められており、SNSでは「鉄道ファンのマナー悪化が原因では」といった意見も見られました。JR西日本に聞いてみると、基本的に車両の引退については発表しておらず、また鉄道ファンのマナー問題が原因といったわけでもないということです。
ところで、同じダイヤ改正でおおさか東線から引退した201系は、事前に置き換えが発表されていました。この違いは何なのでしょうか。
実は、この201系の置き換えを発表したプレスリリースは、「JR京都線・JR神戸線などへの225系新製投入」がメインで、221系による201系の置き換えは発表の本題ではありませんでした。一方、今回の103系の場合は「既存車両で既存車両を置き換えた」(JR西日本)ため、事前発表がなかったのだといいます。
奈良線から引退した103系ですが、関西エリアではダイヤ改正後も、和田岬線、加古川線、播但線での運用が続いています。JR西日本によると、これら3路線では今後も運用が続くということです。