JR東日本は27日、砕石輸送気動車「GV-E197系」と事業用電車「E493系」を、報道公開しました。
両形式は、砕石輸送、散布作業、また車両の入れ換えや回送列車のけん引に使用されていた貨車、機関車の代替として製造されたものです。
GV-E197系は、砕石輸送や砕石散布作業などに使用する電気式気動車。両運転台式の先頭車(GV-E197形)2両と、砕石運搬用のホッパ車(GV-E196形)4両の6両編成を組み、先頭車は、非電化区間の車両の入換作業、回送列車のけん引にも使用されます。最高運転速度は時速100キロで、従来の機関車けん引による砕石輸送時の時速75キロに比べ、大幅なスピードアップが可能です。
E493系は、電化区間での車両入換作業や回送列車のけん引などに使用する交直流電車。交流、直流の両方の電化区間で走行可能な車両です。片運転台式で2両編成を組み、GV-E197系と似たデザインを採用しています。
この両形式の最大の特徴は、車両の操縦方法やメンテナンス方法を、旅客用車両の気動車・電車と統一していること。これまでは機関車や貨車を使用していたため、その特有の技術が求められていました。これを同社の一般的な車両と同じシステムとすることで、運転面や整備面での運用上の効率化を図っています。
また、GV-E197系は、砕石輸送時には編成の両端に運転台つき車両を連結するため、従来の機関車けん引列車では折り返し時に必須だった、機関車の前後位置を付け替える「機回し」作業が省略できることに。作業量の削減によって、安全性の向上と作業の効率化を図ります。
現在、GV-E197系はぐんま車両センター、E493系は尾久車両センターに、量産先行車がそれぞれ配置されています。JR東日本では、これら量産先行車による性能試験や技術的検証が完了したことから、量産車の導入を決定。GV-E197系がホッパ車を含む6両編成6本とけん引用車両2両、E493系が2両編成1本、それぞれ製造されることとなりました。2023年度以降、JR東日本すべてのエリアで順次運用を開始し、従来の機関車を置き換える予定です。
【5月27日15時追記:タイトルおよび本文の誤字を修正しました】