205系に似たデザイン?その理由は
GV-E197系とE493系は、同時期に同一メーカーで製造された事業用車両として、デザインが統一されています。
前面は警戒色の黄色で、側面はステンレス地の銀色。JR東日本のコーポレートカラーである緑色などの帯が全体に巻かれています。側面には、乗降用である手動式の両開き扉のほかに、車内に搭載した機器類の搬出口が設けられました。
この両形式ですが、2021年に姿を現した際には、「201系のようだ」「205系に似ている」といった意見がネット上などで見られました。この点について、JR東日本 運輸車両部 車両技術センター所長の菊池隆寛さんに質問すると、「特にモチーフにしたものはなく、結果的にこのようになった」のだといいます。
デザインは製造メーカーである新潟トランシスが担当し、カラーリングはレール運搬用の事業車であるキヤE195系と共通感を持たせたものですが、シンプルに製造しやすいデザインとしたところ、結果的に201系や205系にも見える外観となったということでした。
GV-E197系の量産車は、ホッパ車を含む6両編成が6本と、けん引用車両が2両製造される予定。E493系は2両編成1本が製造される予定となっています。量産車の仕様については検討を進めている段階だといいますが、今回公開された量産先行車の試験結果を踏まえ、大きな仕様・デザインの変更はないものの、若干の改良を加えて製造していくといいます。
一方、同社の電気機関車・ディーゼル機関車については、尾久車両センターや長岡車両センター、ぐんま車両センターなどに、あわせて約50両が配置されています。これらの置き換えられる車両に対して、置き換えるGV-E197系やE493系の投入数は明らかに少ないのですが、既に同社の機関車は定期運用を持っておらず運用に余裕があるので、この数でも問題ない様子。一方、今後全ての機関車が置き換えられるか、という点は明言していませんでした。
また、両形式による客車列車のけん引は、やろうと思えば可能、とのこと。しかし、たとえばSL列車「SLぐんま よこかわ」の後尾でSLを後押しする補助機関車を置き換えることになるのか、という点は、現在は「検討中」だといいます。