鉄道コム

新車両リポート

「スペーシアX」に乗ってみた 新型特急での日光への旅はどんなものに?

2023年6月7日(水) 鉄道コムスタッフ 西中悠基

「スペーシア X」限定のビールやコーヒーを販売するカウンター

「コックピットラウンジ」がある1号車には、カフェカウンター「GOEN CAFE SPACIA X」(ゴエンカフェ スペーシアエックス)も設置されています。

1号車のカフェカウンター「GOEN CAFE SPACIA X」
1号車のカフェカウンター「GOEN CAFE SPACIA X」

このカフェカウンターでは、クラフトビールやクラフトコーヒー、スイーツなどが販売されます。看板商品であるビールとコーヒーは、この「スペーシア X」専用に開発された商品。その他の飲食品も、日光や栃木の食材を用いたさまざまな商品が用意されています。

「スペーシア X」限定のクラフトビールなどを販売します
「スペーシア X」限定のクラフトビールなどを販売します

かつての「スペーシア」では、車内カウンターでカレーなどが販売されていましたが、この「スペーシア X」では、食品はおつまみやスイーツなどの軽食のみ。この列車が日光・鬼怒川という行楽地で向かう列車であるため、目的地に着くまでに満腹にならないよう、あるいは浅草へ帰る際に余韻に浸れるよう、あえて軽めの食品をチョイスしたということです。

価格については、詳細は発表されていないものの、ビールとおつまみの組み合わせでは1500円ほど、コーヒーとスイーツの組み合わせでは1000円ほどになる予定ということです。

また、カフェカウンターの利用は、1号車の「コックピットラウンジ」の特急券を持つ乗客が優先とのこと。その他の車両の利用者は、事前にネット予約で整理券を発行する必要があります。商品の購入は現金は対応しておらず、クレジットカードまたは交通系ICカードのみが利用可能となります。

浅草駅から東武日光駅までは、およそ2時間の道のり。浅草駅を出て、東京スカイツリーを望み、荒川を渡り、都市部から住宅街、そして田園地帯へ……という、これまでの東武特急と同じ風景のうつろいです。

前面展望が可能な「コックピットラウンジ」
前面展望が可能な「コックピットラウンジ」

とはいえ、新型車両から見た景色は、どことなく新鮮。「スペーシア」や「リバティ」よりも窓は小さくなっている「スペーシア X」のスタンダードシート・プレミアムシートですが、2列で窓1つだった既存形式に対し、「スペーシア X」では1列につき窓1つという配置に変わったことが理由で、それほど圧迫感や閉塞感はありません。加えて、「景色を見たいのに、前列の人がカーテンを閉めたせいで、存分に見られない……」なんてこともなくなります。

「プレミアムシート」の車窓
「プレミアムシート」の車窓

先に紹介した車内設備は、スタンダードシートを中心に試してみましたが、いずれも乗り心地は良好。一番オーソドックスなスタンダードシートでも、「リバティ」では肘掛けにあったコンセントが座席背面に移設されており、使い勝手が向上しました。この座席なら、都心~日光・鬼怒川間のみならず、浅草~春日部間のような短距離でも利用したくなります。

試乗会訪問後に立ち寄った商店では、店員の方が「スペーシア X」を見て「あ、発車した!」と声を上げており、聞くとやはり注目している様子。新型特急としては2017年デビューの「リバティ」以来約6年ぶり、フラッグシップ特急としては1990年デビューの「スペーシア」以来約33年ぶりとなる「スペーシア X」は、地元でも期待度が高まっているようです。

東武日光駅に到着した「スペーシア X」
東武日光駅に到着した「スペーシア X」

「スペーシア X」の営業運転開始日は、7月15日。浅草~東武日光・鬼怒川間で、平日は計2往復、土休日は計4往復を運転するダイヤです。当初は「スペーシア X」は2編成のみですが、今後さらに2編成が増備される予定で、近い将来に運転本数も増える予定となっています。

東武日光駅で顔をそろえた「スペーシア」(左)、「リバティ」(中央)、「スペーシア X」(右)
東武日光駅で顔をそろえた「スペーシア」(左)、「リバティ」(中央)、「スペーシア X」(右)

浅草~東武日光・鬼怒川温泉間の大人特急料金は、スタンダードシート利用時が1940円、プレミアムシート利用時が2520円。その他の座席を利用する際は、スタンダードシート料金に加え、「特別座席料金」が必要です。

特別座席料金は、「コックピットラウンジ」の1人用が200円、同2人用が400円など、「ボックスシート」が1室400円、「コンパートメント」が1室6040円、「コックピットスイート」が1室あたり1万2180円となります。

当初はプラチナチケットとなりそうな特急券は、乗車日の1か月前の9時に発売。駅窓口や券売機のほか、6月15日にサービスを拡充するネット予約サービスでの予約が可能です。

 

鉄道コムの最新情報をプッシュ通知でお知らせします無料で受け取りますか?

アンケート

このリポート記事について、よろしければ、あなたの評価を5段階でお聞かせください。

関連鉄道リポート

関連鉄道未来ニュース

鉄道コムおすすめ情報

画像

登場時デザイン撮影会で

京急600形30周年にあわせた撮影会が12月に開催。600形デビュー時デザインが撮影会限定で復活。

画像

東武の車両「記録推奨度」

この車両、いつまで走る? 引退が危ぶまれる車両や、見た目が変わりそうな車両をご紹介。今回は東武編です。

画像

4000系が「機関車風」塗装に

「西武秩父線開通55周年記念車両」11日運転開始。4000系をE851形を模した塗装に変更。

画像

撮影スタイルとレンズ選び

撮影スタイルにあったレンズ選びについて、プロカメラマンが解説! 今回は、高倍率ズーム・広角レンズ編です。

画像

京都鉄博に381系

12月12日~17日に特別展示。16日までは、一部で「スーパーくろしお」色ラッピングも実施。

画像

11月の鉄道イベント一覧

数百件の情報を掲載中。鉄道旅行や撮影の計画には、鉄道コムのイベント情報をどうぞ。