東京メトロで最も新しい駅、日比谷線の虎ノ門ヒルズ駅。このたび拡張工事が完成し、15日に新改札口や地下2階コンコースの供用が開始されました。
2020年6月6日に開業した虎ノ門ヒルズ駅は、名前の通り虎ノ門ヒルズと直結する駅。虎ノ門ヒルズを含む周辺再開発事業にあわせて設けられました。ただし、当初は2020年開催予定だった東京オリンピック・パラリンピックに間に合わせるため、一部のエリアのみを供用。駅としての設備は整っていたものの、改札口が両ホームで別々に設けられているなど、暫定開業といった状態でした。今回の新エリア開業で、駅自体はようやく当初計画の姿が実現したこととなります。
従来の改札口は、中目黒方面はホームと同じ地下1階、北千住方面は地上階に設けられていました。7月15日以降は改札口は一つとなり、各ホームからアクセスできる地下2階に。これまで中目黒方面のホームから同じ階層で移動できた銀座線虎ノ門駅への連絡通路は、いったん地下2階へと降りる手間こそ増えたものの、新たに北千住方面のホームからも地上を経由することなく利用できるようになりました。なお、改札口付近の改札機や券売機は、もともと同駅の旧改札口にあったものだということ。14日の営業終了後に、全ての機械を移設したといいます。
地下2階の工事とあわせ、ホームの拡幅工事も実施。15日以降、北千住方面のホームは幅約6.0メートルから最大約14.3メートルに、中目黒方面のホームは約4.9メートルから最大約7.2メートルに、それぞれ拡大されました。
駅とともに工事が進められた再開発ビル、駅西側の「虎ノ門ヒルズ ステーションタワー」と、駅東側の「グラスロック」では、駅に接続する地下空間に「駅前広場」(ステーションアトリウム)が設けられました。地上からの吹き抜けが広がり、地上から自然光が差し込む構造で、さらにガラス越しに日比谷線のホームや電車が眺められます。地上と地下、そして駅ホームがつながる構造とすることで、地下とは思えない開放的な空間を演出しています。なお、駅に通じるエスカレーターの動線部分は7月15日にオープンしていますが、ステーションタワー自体の開業は2023年秋の予定です。
虎ノ門ヒルズ駅では、連絡通路を介して銀座線と連絡しているほか、虎ノ門ヒルズ内のバスターミナルを発着する東京BRTと乗り継ぐことも可能です。現在の同駅の乗降人数は1日あたり約3万4000人とのことですが、将来的には8万人を見込んでいるとのこと。交通機関が接続する結節点の近くに新たなビルが開業することで、虎ノ門エリアがますます活性化していくこととなります。