東京メトロは3日、新木場車両基地で、「『有楽町線全線開業35周年×副都心線全線開業15周年』記念撮影会」を開催しました。
このイベントは、名前の通り、有楽町線と副都心線の周年記念企画として、両線の歴代車両である7000系、10000系、17000系の3車種を展示した撮影会。計140人の参加者を募集したところ、発売から4時間で完売したといいます。
計4枠が設定されたこの撮影会ですが、一般参加者の入場前に、ヘッドマークの掲出といった最終準備中の様子が、報道陣に公開されました。
今回展示されたのは、7000系の7101編成、10000系の10111編成、17000系の17101編成の3本。7000系と17000系はトップナンバーの編成で、10000系も第11編成と、いずれも下一ケタが「1」にそろえられていました。
7000系は、1974年の有楽町線開業時に導入された車両。千代田線用の6000系をベースとしたもので、1989年までに340両が製造されました。2008年の副都心線開業に際しては、一部編成が10000系に置き換えられたほか、15本が10両編成から8両編成に短縮されています。また、登場時は黄色(有楽町線ラインカラーのゴールド)のみだった車体帯も、副都心線開業を前に、副都心線のラインカラーであるブラウンを含めた3色に変わっています。
この7000系は、2021年デビューの17000系によって置き換えが進み、2022年に営業運転を終了しましたが、今回展示された7101編成のみは新木場車両基地に保存されました。今回のイベントでは、片側の先頭車(7101号車)の一部が黄色帯となって展示されており、かつての懐かしい姿が再現されていました。
今回のイベントでは、複数のオリジナルヘッドマークも掲出されました。
7000系のうち、副都心線仕様の帯を見せる先頭車側では、副都心線開業15周年ヘッドマークを掲出。かつての黄色帯を再現した先頭車では、有楽町線全線開業35周年ヘッドマークのほか、1988年の新富町~新木場間開業記念ヘッドマークを再現したものが掲出されました。
なお、今回のイベントは、東京メトロとはとバスが共同で企画したもので、一般参加者には新木場駅からの送迎バスが用意されました。使用されたのは、いすゞ「ガーラ」373号車。8月に納車されたばかりの新車だということです。
今回のイベントは、若い担当者2人の発想によるもので、2022年に開催した7000系の撮影会の反響も受けてのものだと、鉄道本部 CX・マーケティング部 課長の板倉良和さんは説明しました。また、新木場車両基地は駅から離れているため、送迎があればうれしい、といった声があったことが、今回はとバスと共同で企画するに至った理由の一つだといいます。
CX・マーケティング部では、8月にも親子向け企画「東京メトロ和光車両基地&昭和鉄道高校 探訪ツアー」を開催していました。毛色が異なる両イベントですが、板倉さんは「子ども向けは子ども向けとして、ファン向けはファン向けとして、それぞれメニューを考えていきたい」と説明。今後もさまざまなニーズに応えたイベントを開催していくとの方針を示しました。