東京メトロは18日、鷺沼車両基地にて、「半蔵門線周年記念見学撮影会 in 鷺沼車両基地」を開催しました。
このイベントは、半蔵門線渋谷~青山一丁目間の開業45周年、同線の全線(渋谷~押上間)開通20周年、そして半蔵門線用車両が所属する鷺沼車両基地の開業40周年という、3つの周年を記念して開催されたもの。検車区での撮影会をメインとした「一般コース」、工場内での体験プログラムがある「ファミリーコース」の、2つのコースが設定されていました。今回、ファミリーコースでは報道陣への公開もありました。
半蔵門線オールスターズに、シルバーのゲスト車両が参加した撮影会
撮影会で展示されたのは、半蔵門線用の8000系、08系、18000系。そして、参加者へのちょっとしたサプライズとして、日比谷線用13000系も仲間に加わっていました。編成の番号はすべて「01」で揃えており、各形式のトップナンバーが一堂に会しました。
各編成とも、記念のヘッドマークを誇らしげに掲げています。これらは撮影会限定のもので、営業運転で掲出することは、残念ながらないそうです。
車両をよく見ると、運用番号の部分は「45S」「20S」「40S」となっており、半蔵門線開業「45周年」、同線全通「20周年」、鷺沼車両基地「40周年」の数字に合わせられています。こうした細かい「芸」もあり、大人のファンでも楽しめる内容になっていました。
特別サービス満載!電車の隠れた部分を見る、触る工場見学
続いて工場見学に移りましょう。内部の見学のほか、ファミリーコースでは打音検査を体験することもできました。車両の部品を軽く叩き、その音で異常がないかを判断するのです。東京メトロの工場見学のイベントで、こうした体験を盛り込むのは珍しいことだそうです。
また、予定にはありませんでしたが、台車部分の車軸についている歯車を手で動せるといった特別サービスもありました。イベントだからこそできる体験に、子どもたちも興味を惹かれていました。
打音検査の体験場所の近くには、車両のモックアップを設置。車掌の放送体験ができるようになっており、こちらも賑わっていました。
イベント当日、工場内には検査中の日比谷線用13000系がおり、こちらの先頭車両にもヘッドマークが掲出されていました。また、先頭部の連結器を触る、その仕組みを解説するなどのサービスも、これまたサプライズ的に展開されていました。
最後に、鉄道本部 CX・マーケティング部 課長の板倉良和さんにお話をうかがいました。今回のイベントは、2022年に開催された17000系・18000系のローレル賞受賞記念撮影会の際、「もうすぐ鷺沼車両基地が40周年を迎える」という話が出たことがきっかけだったとか。同所で開催する有料イベントは、今回が初めてだそうです。
今後、ほかの車両基地でのイベントについては、工場が併設されている大きな場所なら検討の余地があると説明しました。
また、今回のイベントの案内スタッフには、半蔵門線の運転士など、現場で働く方々もいらっしゃいました。これは、東京メトロの人材活用の一環として設けられている、社内複業制度によるもの。利用者との接点が少ない職種の人も乗客とかかわる機会を得ることで、モチベーションの向上にもつながるといいます。実際、運転士を夢見る参加者の少年に対し、「運転士、なれるよ。オジサンもなれたんだから!」と、現役運転士がにこやかに答えるシーンもありました。