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あの形式も実は危ないかも? 2023年度版鉄道車両「レッドデータ」JR世代の車両編

2023年12月23日(土) 鉄道コムスタッフ 西中悠基

毎年のように新型が登場し、そして旧型が消えていく鉄道車両。まだまだ新しいと思っていたり、あるいは存在が馴染みすぎて走っているのが当たり前と思える形式でも、実はそろそろ置き換えられるのでは……という世代に差し掛かっていることが多々あります。鉄道車両の寿命は、通常では30~40年前後と言われていますが、その年齢に差し掛かりつつある車両が、見渡すとあちこちに存在しています。今回は、まだ引退は発表されていないものの、今後の状況が怪しい世代のJR車両たちを、鉄道コム編集部がピックアップしてご紹介します。

なお、この記事は決して「引退が近い!」と煽るわけではありません。しかし、鉄道車両が引退する直前になると多くのファンが集まり、そしてトラブルが発生することが多く見られる近年では、普段からの記録が重要です。「もしかすると……」という不安が杞憂に終われば良いですが、形あるものはいつかは消えてしまいます。直前になって後悔するよりも、気になる車両は(もちろん最新型車両でも)今のうちから記録してみませんか?

「なにわ筋線」開業まではまだまだだけど……関空特急「はるか」の281系

1994年に開港した関西国際空港へは、JR西日本がアクセス列車として、特急「はるか」を運行しています。この「はるか」専用車両として活躍しているのが、281系です。

「はるか」用の281系
「はるか」用の281系

2023年で29歳となる281系ですが、デビュー当時からほぼ一貫して、「はるか」専属車両として活躍しています。2020年には「はるか」用新型車両の271系がデビューしましたが、こちらは「はるか」全列車9両編成化を目的として製造されたもの。現段階では281系を置き換える車両ではありません。とはいえ、まもなくデビュー30周年を迎えることとなる281系は、その置き換え時期が迫っているといえます。

2020年にデビューした271系。「はるか」の増結車として製造されたため、現時点では281系の置き換えには至っていません
2020年にデビューした271系。「はるか」の増結車として製造されたため、現時点では281系の置き換えには至っていません

ところで、新しい車両の導入タイミングとしては、単に旧型車両の老朽化のほか、新路線の開業にあわせることもあります。大阪では、大阪駅「うめきたエリア」とJR難波駅や南海線を結ぶ「なにわ筋線」が、2031年度に開業する予定。この路線が開業する前には、281系の置き換えが終了していると考えるのが自然です。

気になる281系の後継車両は何でしょうか。順当に考えれば、271系を改めて増備して、281系を置き換えることになりそうです。しかしコロナ禍前には、なにわ筋線の線路を共に走る南海と、後継車両を共同開発することが、選択肢の一つであると報じられていました。南海の50000系「ラピート」は「はるか」と同い年。同じタイミングで共同開発車両を導入できれば車両開発コストが削減できるため、鉄道事業者に大きなメリットがあります。

「ラピート」用の南海50000系。281系とは同い年です
「ラピート」用の南海50000系。281系とは同い年です

この情報は、鉄道各社の経営状況が一気に変化したコロナ禍前のもののため、現時点での動向は不明。JR西日本に問い合わせたところ、広報担当者は「現時点でお伝えできる情報はない」と回答しています。しかし、水面下では何かしらの動きがあっても、おかしくはありません。281系の置き換え用車両はいつ製造されるのか、南海と共同開発した新型車両となるのか、今後の展開への興味は尽きません。

実は少数派 今は「振り子」も停止した283系

南紀白浜といえば、関西圏有数のレジャースポットです。この白浜へのアクセスに便利な特急「くろしお」では、新造車両の287系、683系を改造した289系、そして紀伊半島方面の専用車となった283系の3種類の車両が使われています。

「くろしお」に使われる283系。1997年から2012年までは特急「オーシャンアロー」として運転されていました
「くろしお」に使われる283系。1997年から2012年までは特急「オーシャンアロー」として運転されていました

283系は、1996年にデビュー。「オーシャンアロー」の車両愛称を持ち、2012年までは列車名でも他車両による列車と区別されていました。非貫通型の先頭車は、イルカをモチーフとした流線形。システム面では、当時「くろしお」などで使われていた381系にあわせ、振り子式を採用しています。

見た目が特徴的な283系ですが、製造両数は、6両編成が1本、3両編成が2本で、計12両のみの小所帯です。この規模では、運用や車両整備の効率性という観点では他形式より不利。加えて、特徴の一つである振り子システムは、既に使用が停止されているようで、他形式と速度性能面での差別化は望めない状況です。

2024年3月の北陸新幹線延伸開業で、北陸方面の列車に使われる681系・683系は余剰が発生することが考えられます。この余剰車が「くろしお」へ投入され、283系が置き換えられるという流れは否定できません。仮に動きがあるとすれば、新幹線開業後に車両転用の準備期間を置いた2024年度以降でしょうか。今のところ何のアナウンスもありませんが、もしかしたらその時は刻一刻と近づいているのかもしれません。

「しらさぎ」で使われる683系
「しらさぎ」で使われる683系

今では貴重な寝台列車「サンライズ」の285系

平成初期までは、日本各地で寝台列車が運行されていました。しかし、航空便の利便性向上や価格低下、夜行バスの台頭、そして鉄道事業者の合理化推進によって、夜行列車全体が徐々に減少。2023年現在、定期列車として運転されているのは、東京~高松・出雲市間の「サンライズ瀬戸」「サンライズ出雲」の2列車のみです。

この「サンライズエクスプレス」で使われているのが、専用車両として1998年にデビューした285系。JR東海とJR西日本が共同開発した車両です。

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「サンライズエクスプレス」に使われる285系それまでの寝台列車の車両は、全て国鉄時代に製造された車両で、「北斗星」や「トワイライトエクスプレス」といった一部の例を除けば、二段ベッドが中心の旧態依然とした設備でした。これに対し、航空便との競合を視野に入れた285系では、ベッドは全て個室で、シャワールー

 

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