大手私鉄では、最新型車両からベテラン車両まで、バリエーションゆたかな車両たちが活躍しています。ですが、鉄道車両に限りませんが、これらはいつかは引退する運命にあります。
鉄道車両の寿命は、通常では30~40年前後と言われていますが、その年齢に差し掛かりつつある車両が、見渡すとあちこちに存在しています。加えて、製造から15~20年が経過すれば、車体更新などで見た目が大きく変わることも。リニューアルによる内装の変化はもちろん、外観にも手が加えられることがあります。
そこで鉄道コムは、大手私鉄の鉄道車両たちの今後の展開を、「記録推奨度」とあわせ、編集部が占う形でデビュー順にご紹介。引退が近づいている車両はもちろん、比較的新しい形式でも、増結や更新などの変化がありそうなものなどを勘案し、5段階でご案内します。
なお、この記事は決して「引退が近い!」と煽るわけではありません。しかし、鉄道車両が引退する直前になると多くのファンが集まり、そしてトラブルが発生することが多く見られる近年では、普段からの記録が重要です。「もしかすると……」という不安が杞憂に終われば良いですが、形あるものはいつかは消えてしまいます。直前になって後悔するよりも、気になる車両は(もちろん最新型車両でも)今のうちから記録してみませんか?
京成3100形
【当面安泰】記録推奨度:★☆☆☆☆
京成電鉄の3100形は、2019年にデビューした、京成電鉄では最新型の車両です。それまで「アクセス特急」で使われていた3050形(3000形7次車)を置き換えるために導入され、2024年5月現在は8両編成7本が在籍しています。
最新型車両である3100形は、今すぐに何かしらの変化があるとは考えにくい状況。しばらくは現在のまま活躍する姿が見られそうです。
京成AE形
【空港の変革で車両の動きも?】記録推奨度:★★☆☆☆
AE形は、2010年の成田スカイアクセス線開業にあわせてデビューしました。都心と成田空港を結ぶ「スカイライナー」などで使われており、成田スカイアクセス線の印旛日本医大~空港第二ビル間では、在来線では国内最速となる、時速160キロで運転されています。
デビューから15年未満と、まだまだ若いAE形。2009年~2010年に製造された編成のほか、「スカイライナー」増発のために2019年に製造された1本が存在し、2024年5月現在は、8両編成9本の陣容です。
今後もしばらくは安泰……と思われるAE形ですが、成田空港の拡張計画が、その先行きを左右するかもしれません。国や、成田空港を運営する事業者である成田国際空港(NAA)では、成田空港の機能強化を目指しており、滑走路の増設・延長や、旅客ターミナルの拡充・統合といった計画を進めています。旅客ターミナルについ