大手私鉄では、最新型車両からベテラン車両まで、バリエーションゆたかな車両たちが活躍しています。ですが、鉄道車両に限りませんが、これらはいつかは引退する運命にあります。
鉄道車両の寿命は、通常では30~40年前後と言われていますが、その年齢に差し掛かりつつある車両が、見渡すとあちこちに存在しています。加えて、製造から15~20年が経過すれば、車体更新などで見た目が大きく変わることも。リニューアルによる内装の変化はもちろん、外観にも手が加えられることがあります。
そこで鉄道コムは、大手私鉄の鉄道車両たちを、編集部による「記録推奨度」とあわせてご紹介。引退が近づいている車両はもちろん、比較的新しい形式でも、増結や更新などの変化がありそうなものなどを勘案し、5段階でご案内します。今回は、東急電鉄、相模鉄道編です。
なお、この記事は決して「引退が近い!」と煽るわけではありません。しかし、鉄道車両が引退する直前になると多くのファンが集まり、そしてトラブルが発生することが多く見られる近年では、普段からの記録が重要です。「もしかすると……」という不安が杞憂に終われば良いですが、形あるものはいつかは消えてしまいます。直前になって後悔するよりも、気になる車両は(もちろん最新型車両でも)今のうちから記録してみませんか?
東急5000・5050・5080系
【経年車はリニューアル実施】記録推奨度:★★★☆☆
5000系シリーズは、2002年に運用を開始しました。5000系シリーズのうち、10両編成の5000系が田園都市線用(一部は8両編成として東横線に投入)、8両編成の5050系と10両編成の5050系4000番台が東横線用、8両編成の5080系が目黒線用として製造されています。
これまでに600両以上が製造された5000系シリーズは、2024年現在、東急で最も車両数が多いグループです。また、みなとみらい線を運営する横浜高速鉄道も、兄弟車のY500系を所有し、5050系(8両)と共通の運用に投入しています。
2002年デビューの5000系シリーズですが、最新車が落成したのは2023年2月のこと。ただし、これは東横線「Q SEAT」用車両で、編成単位での製造は2019年が最後です。
東急では2024年5月、導入から20年を超える車両、つまり3000系や5000系シリーズに対し、リニューアルを実施すると発表しました。これまでにもさまざまなバリエーションが登場した5000系シリーズですが、リニューアルによってさらなる新しい形態が生まれそうです。
さて、そのリニューアルですが、東急の広報担当者は取材に対し、「外装や内装の張り替え、フリースペースの増備といった更新を予定」していると説明しています。外装というと気になるのが、外観デザインの変更。東急では、8000系リニューアル時のいわゆる「歌舞伎」や、1000系1500番台の7000系風デザインな