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「乗り物優先」も搭載した、キヤノンの新型モデル2製品が登場! 画像で見る「EOS R1」「EOS R5 Mark II」

2024年7月20日(土) 鉄道コムスタッフ 西中悠基

キヤノンは7月17日、新型のミラーレスカメラ「EOS R1」と「EOS R5 Mark II」を発表しました。

「EOS R1」(左)と「EOS R5 Mark II」(右)
「EOS R1」(左)と「EOS R5 Mark II」(右)

「R1」は、キヤノンのミラーレスカメラ「EOS Rシリーズ」のフラッグシップとなるモデル。デジタル一眼レフの「EOS-1D X Mark III」や、それ以前のフラッグシップモデルが使用してきた「1」の番号を受け継ぐ、新たな製品です。

「R5 Mark II」は、2020年発売の「EOS R5」の後継となるモデル。「R1」などが属するプロ向け製品群よりは下の立ち位置ですが、いわゆるハイアマチュア向け製品群の中では最上位に位置するモデルです。

両製品は、その立ち位置の違いから、性能も異なります。ただし、一部では共通している仕様もあるため、まとめてご紹介しましょう。

読み出しを高速化したセンサーと映像エンジン 「R1」の「シャッター歪み」はデジタル一眼レフ並に!

まずは、撮影時に重要なセンサーです。両製品では、新開発のフルサイズ裏面照射積層CMOSセンサーを搭載しました。有効画素数は、「R1」は約2420万画素、「R5 Mark II」では約4500万画素。いずれも読み出し速度の高速化と、低ノイズによる高画質化を実現しています。常用ISO感度は、「R1」がISO100~102400、「R5 Mark II」がISO100~51200です。

また、映像エンジンには、従来の「DIGIC X」に加え、新開発の「DIGIC Accelerator」を採用。これらと新開発したセンサーの組み合わせによる「Accelerated Captureシステム」を用いることで、高速連続撮影や高速AF処理、ローリングシャッター歪みの低減などを実現しました。

「Accelerated Captureシステム」のイメージ(画像:キヤノン)
「Accelerated Captureシステム」のイメージ(画像:キヤノン)

高速連続撮影(連写)性能は、電子シャッター使用時における「R1」が秒間最大40コマ、同じく「R5 Mark II」が秒間最大30コマ(メカシャッター使用時はいずれも秒間最大12コマ)です。撮影速度の選択肢も従来より増えており、「R1」では秒間40コマ、30コマ、20コマ、15コマ……と9段階、「R5 Mark II」でも8段階で連写速度が選べます。

電子シャッター使用時に課題となるローリングシャッター歪みは、両モデルとも従来モデルより改善が図られました。「R1」では、高速読み出しを実現したことで、デジタル一眼レフ「EOS-1D X Mark III」のメカシャッターと同等に低減。「R5 Mark II」でも、先代の「R5」比で約40パーセントに低減できたといいます。

ハイアマ向け最上位機種にもついに「乗り物優先」搭載

今回発表された両製品では、AF追従性能は主にスポーツに注力した内容となっています。

両製品では、「デュアルピクセルIntelligent AF」を採用しました。ディープラーニング技術を活用することで、従来の「Dual Pixel CMOS AF II」よりも、トラッキング性能が大幅に向上しています。たとえば、登録した人物の顔を認識・追従したり、バスケットボールのように交錯が発生する場面での追従性の向上、上半身検知や頭部領域推定など。「Accelerated Captureシステム」による高速解析性能がAF性能向上にも寄与しています。

人物だけでなく、その他の被写体検出機能も搭載しています。これまでにご紹介した人物のほか、「犬」「猫」「鳥」「馬」を検出できる「動物優先」、「モータースポーツ」「飛行機」、そして「鉄道」を検出できる「乗り物優先」に対応。鉄道をメインターゲットとするユーザーも十分に活用できる機能となっています。特に「R5 Mark II」では、先代モデルの「R5」に「乗り物優先」が搭載されていなかったため、待望の機能となりそうです。

「人物優先」「動物優先」「乗り物優先」に対応。画像は「R1」ですが、「R5 Mark II」も同様です
「人物優先」「動物優先」「乗り物優先」に対応。画像は「R1」ですが、「R5 Mark II」も同様です

このほか、両製品では「視線入力AF」に対応しています。ファインダー(EVF)を覗いた際に、視線を向けた方向にAFポイントを動かすというもの。「R3」ではすでに採用されていましたが、ハイアマチュア向け製品では「R5 Mark II」が初採用となります。加えて、両製品とも「R3」より検出フレームレートを約2倍に向上しています。

手ブレ補正機構は、レンズ協調制御(RF24-105mm F2.8 L IS USM Z使用時)により、最高で中央部8.5段、周辺でも7.5段を実現。スローシャッター時でも高度にブレを補正できます。

価格はいずれもオープンプライス。キヤノンオンラインショップでの販売予定価格は、「R1」が108万9000円、「R5 Mark II」のボディ単品が65万4500円、同レンズキットが80万8500円となっています。

「R1」のボディを見る

「R1」のボディは、縦位置撮影用グリップ一体型の、最上位機種らしいデザインです。ボディ外装はマグネシウム合金を採用しており、もちろん防塵防滴構造を採用。センサーには「センサーシールド」を搭載しており、ダスト付着の抑制を図っています。

「EOS R1」シリーズ初のフラッグシップモデル「EOS R1」
「EOS R1」シリーズ初のフラッグシップモデル「EOS R1」
ボディ前面。センサーには従来の上位機種同様に「センサーシールド」を備えており、センサーへのダスト付着を抑制しています
ボディ前面。センサーには従来の上位機種同様に「センサーシールド」を備えており、センサーへのダスト付着を抑制しています
ボディ背面。最上位機種らしく、縦撮影位置用グリップ一体型のデザインです
ボディ背面。最上位機種らしく、縦撮影位置用グリップ一体型のデザインです
ボディ上面
ボディ上面
ボディ側面の各種コード接続部。報道用としてLANケーブル端子を備えています。また、HDMI端子は大型のType Aです
ボディ側面の各種コード接続部。報道用としてLANケーブル端子を備えています。また、HDMI端子は大型のType Aです
メディアはCFexpress Type Bに対応。ダブルスロットです
メディアはCFexpress Type Bに対応。ダブルスロットです
動画撮影に配慮してか、背面モニターはバリアングル式となっています
動画撮影に配慮してか、背面モニターはバリアングル式となっています
視線入力AFに対応したEVF
視線入力AFに対応したEVF
ゴム部分には、新開発したというパターンを採用。グリップ性が向上しています
ゴム部分には、新開発したというパターンを採用。グリップ性が向上しています
「R3」(左)との比較。ともに縦位置撮影用グリップ一体型のデザインですが、ボタン配置などは細かい部分で異なっています
「R3」(左)との比較。ともに縦位置撮影用グリップ一体型のデザインですが、ボタン配置などは細かい部分で異なっています

「R5 Mark II」のボディを見る

「R5 Mark II」は、「R5」のデザインを踏襲しつつ、一部で改良が図られたデザインとなっています。ボディ外装はマグネシウム合金製で、防塵防滴構造を採用。センサーシールドも搭載しています。バッテリーは、新型の「LP-E6P」を採用。撮影可能枚数は約650枚に向上しました。従来の「LP-E6」も使用可能ですが、電圧の違いにより、一部機能が制限されるとのことです。

ハイアマチュア向けモデルの最上位機種となる「EOS R5 Mark II」
ハイアマチュア向けモデルの最上位機種となる「EOS R5 Mark II」
「R5 Mark II」のボディ前面。こちらも「R1」と同様にセンサーシールドを搭載しています。
「R5 Mark II」のボディ前面。こちらも「R1」と同様にセンサーシールドを搭載しています。
ボディ背面
ボディ背面
ボディ側面の各種コード接続部。USB Type-C端子や、Type AのHDMI端子などを備えています
ボディ側面の各種コード接続部。USB Type-C端子や、Type AのHDMI端子などを備えています
CFexpress Type BとSDカード(UHS-II対応)のメディアスロットを搭載
CFexpress Type BとSDカード(UHS-II対応)のメディアスロットを搭載
「R5」ではボディ上面左側にあった電源スイッチが、右側のサブ電子ダイヤル付近に移設されました。左側には静止画・動画の選択スイッチが置かれています
「R5」ではボディ上面左側にあった電源スイッチが、右側のサブ電子ダイヤル付近に移設されました。左側には静止画・動画の選択スイッチが置かれています
背面モニターはバリアングル式
背面モニターはバリアングル式
バッテリーは新型の「LP-E6P」を採用
バッテリーは新型の「LP-E6P」を採用
 

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