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いま「乗るべき」「記録すべき」車両とは? 鉄道コム選定、大手私鉄車両の「記録推奨度」~東武編~

2024年11月9日(土) 鉄道コムスタッフ 西中悠基

大手私鉄では、最新型車両からベテラン車両まで、バリエーションゆたかな車両たちが活躍しています。ですが、鉄道車両に限らず、これらはいつかは引退する運命にあります。

東武鉄道の8000系
東武鉄道の8000系

鉄道車両の寿命は、通常では30~40年前後と言われていますが、その年齢に差し掛かりつつある車両が、見渡すとあちこちに存在しています。加えて、製造から15~20年が経過すれば、車体更新などで見た目が大きく変わることも。リニューアルによる内装の変化はもちろん、外観にも手が加えられることがあります。

そこで鉄道コムは、大手私鉄の鉄道車両たちを、編集部による「記録推奨度」とあわせてご紹介。引退が近づいている車両はもちろん、比較的新しい形式でも、増結や更新などの変化がありそうなものなどを勘案し、5段階でご案内します。

なお、この記事は決して「引退が近い!」と煽るわけではありません。しかし、鉄道車両が引退する直前になると多くのファンが集まり、そしてトラブルが発生することが多く見られる近年では、普段からの記録が重要です。「もしかすると……」という不安が杞憂に終われば良いですが、形あるものはいつかは消えてしまいます。直前になって後悔するよりも、気になる車両は(もちろん最新型車両でも)今のうちから記録してみませんか?

※本記事で路線系統を総称する場合、伊勢崎線、日光線およびその支線群(場合により野田線も含む)は「本線」、東上本線および越生線は「東上線」と記載します。

東武100系「スペーシア」

【塗装変更進行中、今後の廃車もある?】記録推奨度:★★★☆☆

1990年にデビューした特急型車両の100系。「スペーシア」の愛称を持ち、日光・鬼怒川方面の特急列車を中心に活躍しています。

「スペーシア」の愛称を持つ100系
「スペーシア」の愛称を持つ100系

100系は、2023年にN100系「スペーシア X」がデビューするまでは、同社のフラッグシップトレインという扱いでした。一方、「スペーシア X」デビューに前後して廃車も発生しており、6両編成9本が製造された100系のうち、2本がすでに廃車解体されています。

100系に代わるフラッグシップトレインであるN100系が2023年に登場した段階で、100系は順次置き換えられていくのでは、と噂されていたこともありました。しかし、N100系が4本製造されたのに対し、100系の引退済み編成は先述したように2本のみ。「スペーシア X」運転開始後、100系は「きぬ」「けごん」の増発・編成増強に使われており、結果的に大規模な余剰は発生していないようです。

2021年以降、100系では塗装変更が進んでいます。これまでは2011年以降のリニューアル時に施された「雅」「粋」「サニーコーラルオレンジ」の3デザイン、そして特別塗装の「日光詣」が存在していましたが、2021年には1本が登場時のリバイバルカラーに変更。その後もリニューアル塗装からの塗装変更が進められ、リニューアル塗装は2023年に消滅しました。2024年11月現在は、1720系「デラックスロマンスカー」カラーが1本、別の1本が「いちごスペーシア」(登場時リバイバルカラーからの変更)、2本が「日光詣」で、残る3本が登場時カラーとなっています。

2011年以降のリニューアルで登場した塗装の一つ「雅」。この塗装や「粋」「サニーコーラルオレンジ」といったリニューアル塗装は、すべて消滅しています
2011年以降のリニューアルで登場した塗装の一つ「雅」。この塗装や「粋」「サニーコーラルオレンジ」といったリニューアル塗装は、すべて消滅しています

100系は、すでにデビューから35年近くが経過。決して新しい車両ではなく、今後置き換えられることが考えられます。11月7日には、先述した「デラックスロマンスカー」カラーの101編成が北館林へと回送されました。廃車回送と見られており、101編成も今後廃車されるものと見られています。

一方で、N100系が4本出そろった後も、先述したように、「きぬ」「けごん」が「スペーシア X」へと大規模に置き換えられたわけではありません。観光需要に特化したN100系で100系の残り全てを置き換えるとは考えづらいため、将来的に100系が完全に置き換えられる際は、500系か、あるいは別の新しい一般特急形式が増備されると思われます。

東武200系

【足回りは60年以上!でも現役続く?】記録推奨度:★★★☆☆

日光線系統とともに、東武本線の中核を担う伊勢崎線系統。この系統を走る特急「りょうもう」で使われているのが、1991年にデビューした200系です。

「りょうもう」で使われている200系
「りょうもう」で使われている200系

200系がデビューした頃、「りょうもう」は特急ではなく急行列車でした。200系は、サービス改善に加え、同列車の特急格上げを想定して登場。日光線系統の特急車両のようなビュッフェなどの観光客向け設備はないものの、回転式(非リクライニング式)クロスシートを採用していた従来の1800系に対し、リクライニングシートを導入するなど、客室設備は特急車相応のものとなりました。1800系の置き換えが完了した後の1999年、「りょうもう」は晴れて特急列車へと格上げされています。

特急用車両らしい流線形のスタイリッシュなボディで登場した200系ですが、実はその足回りは、他の車両の流用品です。当時、100系により置き換えが進められていた1720系「デラックスロマンスカー」(1700系含む)のものが再利用されたのです。車両自体も、書類上は新造ではなく、1700系・1720系の更新および形式名変更扱いとなっているといいます。さらに一部編成では、デビュー当初は座席も1700系・1720系から流用したものが使われていました。

機器流用元となった「デラックスロマンスカー」1720系
機器流用元となった「デラックスロマンスカー」1720系

なお、このグループは200系とひとくくりで呼ばれることがある一方、200型、250型と、細かく分類されることもあります。1700系・1720系の機器を流用したのが、前者の200型。後者の250型は、機器流用できる編成がすでに存在しないことから、機器類も含めて新造されたもの。当時導入が進んでいた30000系と同様、VVVFインバータ制御を採用しており、6両編成1本のみの特異な編成でした。

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250型を含め、6両編成10本が投入された200系は、デビューから約30年、機器流用元となった車両のデビューからは60年以上が経過し、すでに一部の廃車が発生しています。2024年現在廃車となったのは、200型201編成、202編成、208編成、250型251編成の4本です。一方で、200系を置き換え

 

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