京成電鉄は1月24日、新型車両「3200形」を報道公開しました。
3200形は、2019年10月にデビューした3100形以来、6年ぶりに登場する新型車両。2025年冬の営業運転開始を予定しています。
3200形の特徴は、組成を変更できる「フレキシブルな車両」という点です。1982年にデビューした3600形以降の京成の車両では、6両編成や8両編成を組める設計ではありましたが、車両基地などで簡単に組み替えることはできませんでした。今回の3200形では、2両を1単位(1ユニット)として、4両、6両、8両編成を自在に組むことが可能。これにより、輸送需要に見合った効率的な走行エネルギーの使用による、環境負荷の低減が可能となるといいます。
基本的なデザインは、車両を製造するメーカーと京成が、共同で検討したといいます。車両の外観は、京成の車両の伝統となった、赤と青のカラーリングを採用。先頭部には、連結時に車両間を通り抜けられるようにするため、貫通扉が設置されています。なお、車体断面の設計自体は、3000形以来変わっていません。
車内はロングシートで、先頭車には車いすスペース、中間車にはフリースペースが設置されています。搭載機器が増えたことで乗務員室スペースが拡大したため、乗務員室直後の座席や戸袋窓はなくなりましたが、代わりに腰当てが設けられました。3100形では、ロングシート(一部を除く)の中央部には折り畳み座席によるスーツケース置場がありましたが、3200形では通常タイプの座席となっています。また、座席の背もたれは、3100形のようなハイバック式ではなく、3000形のような通常の高さとなりました。
扉上には、3100形と同様、17インチのLCD車内案内表示器2画面を配置。このほか、空気浄化装置や防犯カメラなども導入。車内に設置している非常通話装置は、京成の車両では初めて、客室内の防犯カメラ映像を乗務員室で確認できる機能がつきました。
足回り機器では、ハイブリッドSiC素子を適用したVVVFインバータ制御装置を搭載。既存の3500形と比較し、電力使用量を約69パーセント削減しています。
また、制御装置や空調装置などの車載機器の動作状況をモニタリングする機能も搭載しています。この機能は、故障対応の迅速化などによる安全性・安定性の向上を図ることが可能。将来的には、モニタリングによるデータを、故障の予兆把握やメンテナンスの省力化にも活用するといいます。
3200形は、今後は3500形の置き換えなどのために、順次導入される予定です。なお、京成電鉄は4月1日に新京成電鉄を吸収合併する予定ですが、合併後の(現)新京成車両の置き換えは、80000形の新造ではなく、3200形が担うことになるということです。
3200形の詳細は、後日公開の詳報版でくわしくご紹介いたします。
【1月24日12時2分追記:車内画像を追加しました】