プロ写真家の作品を見ていると、鮮やかな青空を背景に疾走する列車や、新緑に囲まれた田舎の駅など、自分が撮った写真よりも色が深く鮮やかな写真を目にすることがある。このような写真は、写真家の豊富な撮影経験によって導き出された、カメラ設定の微妙な調整による表現だ。同じようなイメージの写真を撮ってみたいが、カメラの設定が苦手で思い通りの調整がイマイチうまくできないという悩みを抱えている人もいるだろう。しかし、EOS 60Dの『表現セレクト』機能を使えば、カメラが撮影者の思い描く表現にマッチしたカメラ設定に調整してくれるので、初心者でもプロのような表現力豊かな写真を撮ることができる。
鉄道写真と言えば、カラーかモノクロの作品を撮ってそのままプリントするかブログなどに掲載するのが一般的だ。そんな日常に飽きたら普段とはちょっと違う表現をしてみるのも面白いものだ。それができるのが EOS 60Dのアートフィルター機能だ。実際に作例を見てみよう。
これらの写真は今まではPCのフォトレタッチソフトでないと作ることができなかったが、EOS 60Dであれば、カメラの操作だけで簡単に作ることができる。もちろん、PCの操作やレタッチは必要ない。これにより、誰でも多彩な表現を簡単に使いこなすことができる。
現在のデジタル一眼レフカメラは基本的に3:2の縦横比率だ。これは35mmフィルムの比率を踏襲しているからだが、デジタルの時代になって、この比率の束縛はなくなり、縦横比を変えて表現の変化を気軽に楽しめるようになった。そのためEOS 60Dでは、液晶を使ったライブビュー撮影で、3:2の他に4:3、16:9、1:1といった比率を使うことができる。
- 例えば、普通に3:2で機関車を撮ると、どうしても上下に空間ができてしまう。
- しかし、16:9の比率を使えば、画面いっぱいに機関車を入れることができる。また、16:9はフルハイビジョン映像の比率と同じであり、動画に入れる素材を撮るのにも使える。
- 円形のヘッドマークは1:1で撮るとピッタリ写真内にはまって格好いい。
橋の上からは中央線と総武緩行線の分岐、丸ノ内線が一望できる有名なスポット。特に総武緩行線の巨大な鉄橋や一瞬だけ顔を出す丸ノ内線が通る様子は見ていて飽きない。
ベストな撮影タイミングは丸ノ内線の池袋方面行きがトンネルから顔を出した瞬間に、総武緩行線の列車が鉄橋を渡るか、中央線の東京行きが御茶ノ水から出発した瞬間だ。3線の列車が揃うタイミングは意外と難しい。
午後からが順光となる。
■お勧めレンズ:広角~標準
■JR東日本 御茶ノ水駅 聖橋口より徒歩約30秒地図
田端駅より尾久方向に車道に沿って歩くと、踏切が見えてくる。そこがJR東日本とJR貨物の機関車の駐機場となっている。2010年9月現在、新系列電気機関車が増えていく現状でもEF65やEF81、EF64など、国鉄型電気機関車を間近で見られる場所。希にロイヤルエンジンのEF81 81号機や、レインボーカラーのEF65、EF81などを見ることができる。
午前中は順光だが、午後は逆光になるため撮影できる時間は限られる。付近を通る道路は車の通行が多いため、路上駐車したり車道に三脚を立てて撮影するなどの行為は間違ってもしないように。
■お勧めレンズ:広角~標準
■JR東日本 田端駅より徒歩 約10分地図
水上駅から出て、渋川方面に線路に沿って降りていく車道があり、そこから水上駅を発着する列車が撮影できる。午後に順光になるため、D51 498で運用される「SLみなかみ」の上り列車の発車時刻にはちょうど順光となる。また、発車時の煙も期待できる。有名な撮影ポイントだけに人では多い。水上駅が近いため、後続列車で「SLみなかみ」を追いかけることも可能だ。(2010年9月現在のダイヤ)
車が近くを通るので、撮影の際には十分に注意して欲しい。
■お勧めレンズ:広角~標準
■JR東日本 水上駅より徒歩約5分地図
【!撮影時の注意!】
- 立ち入りを禁止されている場所に無断で入らないようにしてください。
- 車道の近くなどでは、車や通行者に注意し、通行の妨げにならないようにしてください。
- ゴミは必ず自分で持ち帰りましょう。
- 撮影地が混んでいる場合にはお互いに譲り合って撮影しましょう。