JR渋谷駅では、2020年に向けて、埼京線のホームを山手線ホームの隣へ移設する改良工事が行われています。2018年5月26日~27日には、列車を運休させての大規模な工事が行われました。渋谷駅で行われた同工事の概況を紹介します。(2018年5月26日撮影)
今回の工事は、埼京線、湘南新宿ラインなどの大崎方面(上り線)の線路を、東側に新設した高架部に移すのが主旨。同線路部分で、架道橋の架け替えや、路盤の整備などが進められました。
山手線渋谷駅、内回り(2番線)ホームから見た新宿方面の様子。右側が山手貨物線の線路です
宮益坂とスクランブル交差点を結ぶ旧大山街道の上では、架道橋の架け替えが山手貨物線側で行われました。
新宿方面の工事箇所を拡大。中央の大きな構造物は、旧大山街道上に架けられた、山手貨物線上り線用の新しい架道橋です
地上では、旧大山街道の歩道部分が通行止めとなり、車道の一部が歩道に充てられました。
旧大山街道を行き交う人や車の様子。片側の車線には、大がかりな工事用車両が並び、その車列と仮の歩道との間に確保した車道を車がすれ違う状態になりました。写真奥側がスクランブル交差点(渋谷駅前交差点)です
従来の架道橋は撤去されました。撤去作業などのため、旧大山街道は線路下付近が5月26日の10時ごろまで全面通行止めになりました。
山手貨物線隣の用地には、撤去を終えた架道橋の橋桁が置かれていました。左奥の建築物は、通称「渋谷駅街区」のビル。工事の計画図では「共同開発ビル」と記されています
仮の歩道から見た東口の工事現場。中央に見えるグレーの橋桁状の構造物は、移設される上り線の線路を支える土台になります
今回の工事により、上り線の線路は、建設が進む共同開発ビルが覆う位置に移設されました。工事前は、渋谷駅中央改札付近と東口の商業施設などを結ぶ通路から、埼京線や湘南新宿ラインの車両を見下ろすことができましたが、支柱などで遮られ今は見ることができません。
渋谷駅中央改札付近と東口の商業施設などを結ぶ通路からの大崎方面の眺め。右は埼京線ホームや新南口方面に通じる連絡通路で、左の建物が共同開発ビルです
今後、埼京線ホームは北へ約350メートル移動させることで、山手線ホームと並びます。ホームが完成すると、相互の乗り換えがしやすくなります。
山手線内回りホームから見た山手貨物線の線路。山手線の線路よりも低い位置で上下線とも並んでいますが、最終的には山手線、山手貨物線とも同じ高さになります。2本の線路の左側には、基礎ができつつある埼京線、湘南新宿ラインの新ホームが見えます
別の角度から見た新ホーム基礎部分。奥には、大崎方面(上り線)の新しい線路が見えます。同線路を含む一帯は、かつて、東急東横線の渋谷駅駅舎などがあった場所です
山手線ホームの南端部から見た埼京線ホームの様子。大勢の作業員の姿が見られました。上り線(4番線)側では、一部でホームをかさ上げする工事も行われました
工事当日は、埼京線ホームをはじめ、同ホームに通じる通路、改札口も閉鎖されました。
中央改札付近の連絡通路入口では、案内板が立てられたほか、複数の係員が誘導、案内にあたっていました
埼京線ホームに直結する新南口。工事当日は、地上出入口の前で閉鎖され、新南口駅舎に併設された一部施設に用がある人や関係者を除き、立ち入り禁止になりました
構内各所で見られたホーム移設工事のPRポスター。キャッチコピーは、「2020並ぶぜ!!ホーム」。一部報道では、同工事の完成予定は、2020年春とされています
線路の切換は、2018年5月25日の終電後から27日22時ごろまで通しで行われました。その間、埼京線、湘南新宿ライン、成田エクスプレスなどは、新宿~大崎間で運休となりました。
JRで同区間を移動する場合、山手線のみとなったため、山手線はどの列車も混み合い、乗れない人が出るケースも。時間帯によっては遅れも見られました
工事当日、新宿駅での埼京線、湘南新宿ラインの発車案内。埼京線は全列車が、湘南新宿ラインは宇都宮、高崎方面の列車がいずれも新宿駅発着となったため、大崎方面の案内は消灯した状態でした
6月2日、3日も工事が行われ、新宿~大崎間が運休になります。
渋谷駅線路切換工事概要(JR東日本プレスリリースより)
渋谷駅における今後の線路切換計画について(JR東日本プレスリリースより)