日本各地で展開されるキャラクターと鉄道のコラボ。濡れ煎餅で有名な銚子電鉄では、7月21日、「銚子電気鉄道 アルジェ車内放送臨時(貸切)列車」が運転されました。
ゲームから派生した企画「レイルロオド・トレイン」。鉄道車両の魂というべきものを擬人化し、車両運行や管理を補助するという設定の「レイルロオド」を、実在の車両をモチーフにデザインし、イベントを開催したりグッズを販売するというものです。
今回のイベントでは、銚子電鉄で臨時列車を運転し、同社の「デキ3」をモチーフとしたレイルロオド「アルジェ」によって車内放送するといった企画が実施されました。関東最東端の私鉄、銚子電鉄で開催されたこのイベントを、鉄道コムがリポートします。
今回臨時列車が運転された銚子電鉄は、かつての経営危機時にぬれ煎餅をアピールしたことでも知られるローカル線です。アルジェのモチーフとなったデキ3は、この銚子電鉄のマスコット的な電気機関車。ドイツのアルゲマイネ社で製造されたこの車両は、かつては山口県の炭鉱で活躍しており、1941年に銚子電鉄にやってきました。現在は営業運転に就くことはないものの、仲ノ町駅併設の車両基地で、大切に保管されている姿を見ることができます。
銚子電鉄でのレイルロオド・トレイン企画の開催は、今回が2回目です。5月に開催された1回目のイベントでは、1編成を貸し切った団体専用列車としての企画でした。今回は、一般列車と同様に各駅に停車し、一般の利用客も乗車するなかで特別放送を実施する内容。沿線のお祭り開催にともなう臨時列車が運転されるというタイミングにあわせ、臨時列車6往復のうち2往復で特別放送が実施されました。
イベント列車に使用されたのは、2000形のデハ2002-クハ2502の編成。もとは京王帝都電鉄(現:京王電鉄)や伊予鉄道で活躍し、2010年に銚子電鉄にやってきた車両です。今回のイベントでは、かつての銚子電鉄標準色を纏った同編成に、アルジェのヘッドマークが掲出されました。
臨時列車の1本目は、13:35に銚子駅を出発。全線を走破しても約20分の道のりとなるミニ路線の銚子電鉄線ですが、レトロな駅や洋風の駅、関東最東端の駅に「ネーミングライツ」によってユニークな愛称が付けれた駅など、9駅すべてが特徴的です。車内では、そんな各駅や歴史、観光などをアルジェが案内してくれました。
アルジェの放送が流される列車は銚子駅15:17着までの運転ですが、参加者一行は銚子駅の一つ隣、仲ノ町駅で下車。銚子電鉄の車両基地がある仲ノ町駅において、レイルロオド・トレインの走行記念グッズ販売会が開催されました。
このほか、犬吠駅では貸切列車の運転にあわせて、アルジェのデジタルサイネージが設置されました。大型モニタの中で動くアルジェと会話できるこのサイネージは、8月19日までの期間限定設置。犬吠崎灯台や水平線が丸く見える丘など、観光地の玄関口である同駅で、利用客を迎えてくれます。
今回で2回目の開催となったレイルロオド・トレインの臨時列車企画。主催者の一人である進行豹さんは、次回以降の開催は未定としながらも、「ぜひ今後も開催したい」と意欲を見せていました。
レイルロオド・トレインの次回開催は未確定ですが、普段の銚子電鉄線も、魅力あふれるすばらしい路線です。濡れ煎餅やレトロな駅舎、そしてアルジェが待つ銚子へ、あなたも出かけてみませんか?
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