「鉄道の日」は、1872年10月14日に日本初の鉄道が開業したことを記念して、1994年に運輸省(当時)が制定した記念日です。
「鉄道の日」にちなみ、日本で最初に鉄道が開業した新橋~横浜間にスポットをあて、創業時の駅、記念物、記念碑など、その原点をたどります。
1868年、明治維新とともに誕生した新政府は、その翌年12月に鉄道建設を決定しました。工事は、1870年4月に新橋~横浜間(約29キロ)で開始。測量のため、汐留の一角に最初の杭が打たれたのがその第一歩です。
鉄道建設にあたっての技術、資材、資金がなかった当時の日本政府は、イギリスの支援を受けることとし、お雇い外国人を招聘。建築師長として渡日したエドモンド・モレルをはじめとする指導、監督のもと、敷設工事が着手されました。線路幅を狭軌としたのは、モレルの進言があったことなどによります。単に線路を敷くだけの工事ではなく、海の埋め立てのほか、高輪や神奈川付近では、海上に堤を築くなど、簡単なものではありませんでしたが、1872年6月には、品川~横浜間(約24キロ)が仮開業しました。仮開業当日の運転本数は、2往復。その翌日からは6往復になりました。同7月には、途中駅にあたる川崎、神奈川(現在の横浜~東神奈川間に位置)の両駅が開業。同8月に新橋~品川間の線路がつながり、10月14日の開業式を迎えることになります。10月15日以降は、1日9往復が運転されたそうです。
着工から本開業まで2年半。日本で最初の鉄道は、明治時代に入って5年目という時期に開業しました。
旧新橋駅
駅舎は、1871年5月から同12月にかけて造られました。その跡地には現在、「旧新橋停車場」という名称で、当時の姿を忠実に再現した建物や鉄道設備があります。
新橋~横浜間
日本最初の鉄道開業区間(新橋~横浜間)。その沿線の様子を順に紹介します。
初代横浜駅
初代の横浜駅は、現在のJR桜木町駅にあたります。開業時の駅舎は、1872年5月に完成しました。1887年、横浜駅で折り返す形で、横浜~国府津間が開業。列車はスイッチバックする形での運行となりましたが、スイッチバック解消のため、1898年に短絡線が設けられました。横浜駅はメインルートから外れ、短絡線上に新たに横浜駅(市営地下鉄高島町駅付近)が設置されたことで、駅名も変更。桜木町駅になったのは、1915年のことです。初代駅舎は、1923年の関東大震災で焼失。1927年に再建されました。
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