大船駅を起点に、南西に進む湘南モノレール。江ノ島方面へのアクセス路線として、大船~湘南江の島間6.6キロを約14分で結んでいます。駅数は起点、終点を含め、8つです。
国内のモノレール路線の中では数少ない懸垂式で、高低差やカーブのある区間を走るのが特徴。湘南モノレールでは、その走行スタイルから「湘南ジェットコースター」という表現を用い、乗車する楽しみもポイントに挙げています。
観光アクセスのみならず、地域の足としても活躍する湘南モノレール。近年は利便性を高めるための改良、改修が進められ、さる12月1日には、江ノ島の玄関口となる湘南江の島駅が全面的にリニューアル開業しました。全面リニューアル初日の湘南江の島駅の様子を中心に、湘南モノレールの直近の見どころなどを紹介します。
12月1日の湘南江の島駅
湘南江の島駅の工事は、耐震補強とバリアフリー化を目的にしたもので、2017年7月に着工。バリアフリー化の目玉として、これまでは同駅になかったエレベーター棟が造られ、2018年4月1日にエレベーターの供用が始まりました。駅ビルは地上5階建てで、改札階はその5階にあるため、バリアフリールートを確保するうえで、エレベーターは欠かせません。長年の課題がこの時点で解決し、エスカレーターの整備が引き続き進められました。エスカレーターは、旧駅ビルでは2階~4階の上下を結ぶのみでしたが、工事により地上階(江の島口)~1階(藤沢口、鎌倉口)~5階がつながる形に。10月20日に上りエスカレーターの使用が始まった後、今回下りエスカレーターも供用開始となり、エスカレーターによるバリアフリールートも12月1日をもって完成しました。
ホームは2面1線で、乗車、降車で番線を分ける形で運用されています。リニューアル工事期間中は、片方の番線の使用を取りやめ、もう片方で乗車、降車を行う運用に変更したうえ、工期にあわせてその番線を入れ替えるなどの措置がとられました。現在は、1番線が乗車専用、2番線が降車専用で元の形に戻っています。
湘南モノレールの近況など
ここからは、直近の湘南モノレールの話題を紹介します。
2018年9月に、ドイツのヴッパータール空中鉄道との間で懸垂式モノレールの姉妹提携を結んだことを受け、今シーズンの湘南モノレール恒例のクリスマストレインは、ドイツの風習にちなんだ仕様になっています。「クリスマススター」を飾りつけるならわしから、星(ドイツ語でstern)をモチーフとした装飾を車内に施し、先頭部には専用ヘッドマークを掲出。「輝く星のトレイン~kawaii~ドイツ シュテルン号」との名称で、11月28日から12月25日まで運行しています。
湘南モノレールの長年の課題の一つに、交通系ICカードへの対応がありました。2018年4月、ICカード「PASMO」を軸に、相互利用可能なICカードを含めたサービス利用を開始。乗降時の利便性向上を図りました。自動改札機が設置されていない駅では、入場用、出場用の簡易改札機がそれぞれ設けられています。ICカードを使わない乗客の対応では、運転士、車掌がホーム上できっぷを回収するなどの運用が、湘南深沢駅などで今も行われています。
湘南深沢駅は、湘南モノレールの車両基地、本社の最寄り駅。駅の前後では、直線区間を走るモノレールを、視界が開けた中で見ることができるのも同駅のポイントです。
受験シーズンにあわせた取り組みも行われています。2018年度の「合格祈願 受験生応援キャンペーン」は、11月17日にスタート。片瀬山駅では、副駅名称として「勝たせ山」が用いられ、大船駅では、ホーム側面に合格祈願神社が設けられるなど、受験生の応援企画が実施中です。キャンペーン期間は、2019年3月3日まで。
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