(6)赤城(13:12発)~太田(13:43着)
赤城駅では、5度目の方向転換が待っています。ここまでのパターンであれば、限られた停車時間で一連の流れをこなすということになりますが、赤城駅ではひと味違っていました。発車まで15分以上あり、時間的にはゆったりめ。加えて、13時からは行先表示の撮影タイムというお楽しみもあり、サービス満点です。隣の上毛線のホームでは、タイミングよく西桐生行き、中央前橋行きが続けて行き来し、スカイツリートレインとの横並びも実現。そして、行先表示のアトラクションです。最初の「太田」でまず大きなどよめきが起こり、レアな表示に切り替わる度に騒然となりました。どよめきに応じて撮影人数は徐々に増え、ホームはさながら撮影会の様相に。「鬼怒川温泉」「東武日光」などの定番を経て、最後は「浅草」で実演は終了。全9種類でした。
実際のゴールは浅草ですが、列車はこの後、さらに別の路線へ。桐生線を戻り、太田駅で6度目の方向転換に入ります。
この桐生線の復路で、午後の車内イベント、「伊勢崎線関連クイズ」が催されました。上位正解者には、ちょっとした賞品がプレゼントされるというもので、出題数は10。相老駅運転停車中に問題用紙が配られ、制限時間10分ほどで回収となりました。正解発表は、次の方向転換後。太田~伊勢崎間の移動中に行われました。
(7)太田(13:50発)~伊勢崎(14:16着)
2度目の太田駅では、降車が可能。13:43着、13:50発で、時間は短めでしたが、パターンに慣れたこともあり、皆さん手際よく撮影に臨んでいました。
太田駅からは、伊勢崎駅に向かいます。館林駅で一旦離れた後、う回して伊勢崎線に入ったことになり、約4時間ぶりの伊勢崎線走行です。クイズの答え合わせ、賞品配布などはその間に行われました。
クイズは、難度高めながら、「東武」を数字に置き換えると何となく答えがわかるという仕掛けで、全問正解者は3人。そのお一人に話を伺うと、出題する側の意図から解いたとのことで、感服しました。東武鉄道に造詣が深い方と見受けていたのですが、末端区間は未乗だったこともあり、今回のツアーに参加されたそうです。賞品は「大樹」のステンレスボトルなど。喜んでいらっしゃいました。
列車は、一定の低速で平野部を走行。景観を楽しむのにちょうどいいスピードで、赤城の山々など、堪能できました。高架区間に入ればじき終点です。伊勢崎駅到着は、14:16でした。
(8)伊勢崎(14:32発)~浅草(17:06着)
この日最後、7度目の方向転換を経て、列車は一気に伊勢崎線終点の浅草に向かいます。太田~伊勢崎間は重複しますが、太田~館林間を走るのは、ようやくこの最終行程になってから。館林~東小泉~太田~館林でつなぐ循環ルートもこの乗車で完結です。名残を惜しむように、列車は加減速を繰り返しながら、時に徐行気味に進行。3度目となる館林到着は、15:38(2番線)でした。
館林駅から先の運転停車は、久喜駅、東武動物公園駅、北千住駅のみ。複々線区間では、特急らしい快走で、スピード感も楽しめました。いつしか進行方向右は、空が赤く染まり、列車は夕日を受けつつ、夕日を追いつつといった展開に。暮れなずむ街並みとともに印象的な光景が広がりました。
道中、クラブツーリズムに寄せられた東武線での新企画についての紹介がありました。秩父鉄道を経由した東武本線・東上線の乗りつくし、準急リバイバル運用での伊勢崎線全区間走破といったアイデアのほか、リバイバル塗装編成の混成列車による団体列車、「大樹」ドリームカーを使った夜行列車などなど。夢のある話が発表され、拍手も起きました。
2日間のうちの1日でしたが、乗りつくしを満喫する旅ができました。スカイツリートレインにとっては走りつくしと言っていいでしょう。そして、主催者や東武線各駅の方々から感じたのは、至れり尽くせりの心。“心づくし”の旅というものでした。こうした企画、今後も大いに期待しつつ、ぜひまた参加したいと思います。
その他
当日配られた参加特典は、西小泉駅、葛生駅の記念乗車証明書(台紙つき)、「東武伊勢崎線ほぼ乗りつくし旅」の乗車証明書など。1月19日、20日の2日間の参加者には、特製の行先表示板がプレゼントされました。
スカイツリートレインの概要
スカイツリートレインは、東京スカイツリーの開業時期にあわせ、2012年5月にデビューしました。東武沿線と東京スカイツリーとを結ぶ新たな特急用車両として導入され、車両形式は、スカイツリーの高さ(634メートル)にちなみ、634型。6050系の6177編成、6178編成を改造し、大きな展望窓、窓に面したシートなど、観光用車両としての側面も持たせています。展望スペース、イベントスペース、サロン席のほか、物販等が可能なカウンターも配備。4両編成が基本で、主に臨時特急列車、団体臨時列車で運用されています。
1月20日の行程など
列車番号 | 運転区間 | 乗車時間、走行時間(概算) | 走行距離(営業キロ) | 行き違い、運転停車駅 |
---|---|---|---|---|
5681 | 浅草(8:09発)~葛生(10:20着) | 131分、100分 | 96.7キロ | 東武動物公園、羽生、館林、佐野市、多田 |
5682 | 葛生(10:33発)~館林(11:08着) | 35分、29分 | 22.1キロ | 田沼、佐野、渡瀬 |
5783 | 館林(11:20発)~西小泉(11:43着) | 23分、17分 | 12.0キロ | 本中野、東小泉 |
5784 | 西小泉(11:50発)~東小泉(11:53着) | 3分、3分 | 2.2キロ | |
5885 | 東小泉(12:02発)~赤城(12:54着) | 52分、38分 | 26.7キロ | 竜舞、太田、三枚橋、新桐生、相老 |
5886 | 赤城(13:12発)~太田(13:43着) | 31分、25分 | 20.3キロ | 相老、新桐生、藪塚 |
5387 | 太田(13:50発)~伊勢崎(14:16着) | 26分、20分 | 19.8キロ | 木崎、境町、新伊勢崎 |
5388 | 伊勢崎(14:32発)~浅草(17:06着) | 154分、119分 | 114.5キロ | 剛志、境町、木崎、太田、韮川、福居、多々良、館林、久喜、東武動物公園、北千住 |
合計 | 455分、351分 | 314.3キロ |
*発着時刻は発車標の表示等と一部異なります。小泉線の距離は、実際のキロ数です。
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