京成電鉄、新京成電鉄、北総鉄道は24日、3社の列車無線システムを、デジタル無線に完全移行したと発表しました。
列車無線は、車両と指令所などをつなぐ連絡手段で、異常発生時の緊急停止信号送受信などにも活用されています。3社ではこれまで、アナログ方式の無線を使用してきましたが、高品質な通話と文字環境での情報伝達を可能とするデジタル無線の導入を決定し、これまで順次導入してきました。22日付で3社の全線がデジタル無線使用区間となったことで、京成では1969年から、北総鉄道では1979年の開業時から、新京成電鉄では1983年から使われてきたアナログ無線は、役目を終えました。
これまでのアナログ無線では、京成と北総鉄道、そして直通先の都営地下鉄浅草線や京成電鉄は、線路沿いに無線用の誘導線を設置した「誘導無線」(IR無線)を使用。一方、新京成では、携帯電話のように基地局のアンテナと移動局(車両)とで通信する「空間波無線」(SR無線)を使用しており、同じグループながら無線方式が異なっていました。今回のデジタル無線完全移行によって、両社とも空間波無線に統一され、無線システムに互換性が生まれました。
ここで気になるのが、京成と新京成の直通運転の動向。両社の直通運転に使用される車両は、これまでは両社双方のシステムを搭載した新京成の一部車両に限られていました。今回、無線システムが統一されたことで、少なくとも無線の制限は消滅。これまで直通運転に使用されていなかった新京成80000形などが、直通運転に使用されるようになるかもしれません。