東急電鉄と東京メトロは23日、東急田園都市線と東京メトロ半蔵門線の信号保安システムを、同一の無線式列車制御(CBTC)システムに変更すると発表した。
CBTCは、無線を活用し、列車間隔や速度を制御するシステム。従来のシステムでは、信号間の「閉そく」を設け、1閉そくにつき1列車しか進入させないことで、安全を確保してきた。CBTCでは、後続列車は先行列車との距離を無線を通じて連続的に取得し、車上で走行可能な距離を計算して走行する。これにより、従来システムよりも速やかな進行が可能となり、高い遅延回復効果が得られるという。加えて、システムの構成設備の二重化による安定性向上や、省設備化によるメンテナンス性向上、環境負荷低減にも寄与するとしている。
東京メトロでは、丸ノ内線において、2018年度に仮設設備での試運転を実施。2022年度には終電後における本設備での走行試験を開始している。同社では、2024年度に丸ノ内線で、2026年度に日比谷線で、それぞれCBTCの導入を予定。半蔵門線への導入は3路線目となる。
東急電鉄では、CBTCを大井町線でも導入。踏切制御を高度化し、列車速度に応じて踏切の警報開始地点を変えることで、列車が遅延し低速走行状態となっている際の踏切遮断時間改善が見込めるとしている。
両社では、相互直通運転を実施している2路線が共通化したCBTCシステムを導入することで、双方の路線で遅延回復効果が得られ、運行の安定性が向上するほか、現行システムとの接続を考慮せずに両線の新システム同士を接続することができるため、両社相互に導入コストの低減に寄与するとしている。
半蔵門線と田園都市線でのCBTCシステムの導入は、2028年度の稼働を予定。大井町線では、2031年度の稼働予定としている。