発想次第で素晴らしい写真を
撮影実習後、日を改めて講評の場が設けられました。
普段鉄道写真を撮らない参加者が多く見られた講座ながら、提出された写真は初心者とは思えないものばかり。助川さんはそれぞれの参加者の写真に対し、「こうすればさらによくなる」とアドバイスしました。一例を挙げると……
「標準~広角レンズで花を撮ろうとすると、意外とスカスカになります。望遠で狙って圧縮するか、広角レンズなら空を入れて撮ると良いです」
「特にスポーツや動物写真を普段撮影している方は、AFポイントを中心に持ってくる傾向があります。鉄道では、AFポイントは車両の先頭が来る位置、右か左に置き、そこに先頭を合わせれば、バランスの良い写真になります」
「私の所属する事務所では、流し撮りは1両目に加えて2両目が少し入れるのがルール。それをみなさんに強制するわけではありませんが、流し撮りでは先頭部の先にある空間を大きくしすぎないような構図を組むとバランスが良くなります。鉄道写真は予測の世界です」
「流し撮りは芯があればいいです。周りがにじんでいても、ドアの線やドアコックがしっかり写っていれば、それで大丈夫です」
「鉄道は散漫になりがちな被写体でもあります。明確な狙いやメッセージ性があると良い写真になります」
……などなど。プロ目線からの的確なアドバイス、参加者のみなさんは真摯に聞いていました。
それでは最後に、助川さんが撮影した写真をどうぞ。
「鉄道写真というのはいろいろな撮り方があって、編成写真のような撮り方やフォトジェニックな撮り方など、多岐にわたります。それはみなさまの発想次第です」と語った助川さん。「今後もぜひ鉄道写真を楽しんでいただければと思います」と講座を締めくくりました。
鉄道写真講座というと、バリバリの撮り鉄、あるいは撮り鉄に興味がある鉄道ファンが対象のように見えるかもしれません。しかしながら今回の講座では、飛行機やスポーツは撮影しているものの、鉄道写真事体は初心者という参加者もちらほら。中には、つい最近写真撮影の世界に踏み込んだばかりという参加者もいました。
写真撮影自体がまだまだ初心者だという参加者は、「興味のあるジャンルを探すために、さまざまな講座を受講している」とのこと。プロの写真家が丁寧に撮影技法などを教えてくれるニコンカレッジは、初心者でも参加しやすいようです。
一方で、既に数十年も鉄道写真を撮り続けてきたという参加者も。「普段は我流で撮影しているので、あらためてプロの写真家の撮り方を学びに来た」ということでした。よく写真を撮る鉄道ファンでも、「なんとなく」設定や構図を決めがちという人は多いのではないでしょうか(筆者も同様ですが)。そんな方でも、ニコンカレッジではプロカメラマンからの指導を受けながら撮影ができるため、これまで曖昧だった撮影方法を見直し、上達に役立てることができます。
ニコンカレッジは、東京や大阪など全国7都市で開催。鉄道写真のみならず、人物、風景、航空写真や、撮影後のレタッチ技法など、写真に関するさまざまな講座が設けられています。初心者の方も上級者の方も、ぜひ参加されてはいかがでしょうか。