新型コロナウイルス感染拡大防止に向けて、4月7日に政府より出された緊急事態宣言。これを受け、鉄道会社各社ではどのような対応を取っているのでしょうか。
臨時列車は運休相次ぐ
緊急事態宣言が発表された翌日の8日、JR東日本はSL列車や観光列車などの「のってたのしい列車」を、5月末まですべて運休すると発表しました。同日には、SL「大樹」を運行する東武鉄道と、SL急行「かわね路」を運行する大井川鐵道も、両列車のゴールデンウィーク明けまでの運休を発表しています。
このほか、緊急事態宣言発表当日の7日には、政府の発表に先立ち、JR西日本が「SLやまぐち」や「花嫁のれん」など、全ての観光列車について、当面の間運転を見合わせると発表。このほか、これまでにも、西日本鉄道や会津鉄道、嵯峨野観光鉄道など、観光列車を運行する私鉄各社も、多くが運休を発表しています。
JR北海道では、4月の「くしろ湿原ノロッコ」を運休するほか、5月と6月に運転予定の「くしろ湿原ノロッコ」、「花たび そうや」についても、指定席の発売を見合わせる対応を取っています。
4月10日現在で、観光列車やイベント列車の運休などを発表しているのは、以下の各社です。
【4月末まで運休】
・JR北海道:くしろ湿原ノロッコ(4月29日・30日運休、5月・6月は指定券発売見合わせ)
・JR西日本:TWILIGHT EXPRESS 瑞風(4月22日出発分まで)
・JR四国:観光列車全列車(4月30日まで)、ゆうゆうアンパンマンカー(4月30日まで連結取り止め)
・わたらせ渓谷鐵道:トロッコわっしー号・トロッコわたらせ渓谷号(4月30日まで)
・伊豆急行:THE ROYAL EXPRESS(4月26日出発分まで)
・平成筑豊鉄道:レストラン列車「ことこと列車」(4月26日まで)
・肥薩おれんじ鉄道:おれんじ食堂(4月19日まで)
【ゴールデンウィーク明け頃まで運休】
・JR九州:JRKYUSHU SWEET TRAIN「或る列車」(5月6日まで)、A列車で行こう3・4号(5月10日まで)、かわせみ やませみ1・2号(5月10日まで)
・東武鉄道:SL大樹(5月5日まで)
・西武鉄道:52席の至福(5月6日まで)
・阪急電鉄:京とれいん 雅洛・京とれいん(5月6日まで)
・西日本鉄道:THE RAIL KITCHEN CHIKUGO(5月6日まで)
・会津鉄道:お座トロ展望列車(5月6日まで)
・真岡鐡道:SLもおか(5月6日まで)
・長野電鉄:観光列車「のんびり号」(4月18日から5月6日まで)
・大井川鐵道:SL・ELかわね路号(5月8日まで)
・長良川鉄道:観光列車「ながら」(5月10日まで)
・しなの鉄道:ろくもん(5月11日まで)
・えちごトキめき鉄道:えちごトキめきリゾート雪月花(5月10日まで)
・あいの風とやま鉄道:一万三千尺物語(5月5日まで)
・嵯峨野観光鉄道:全列車(5月6日まで)
・島原鉄道:しまてつカフェトレイン(5月4日まで)
【5月中旬以降まで運休】
・JR東日本:TRAIN SUITE 四季島(5月16日出発分まで)、のってたのしい列車全列車(5月31日まで)
・JR九州:ななつ星in九州(5月19日出発分まで)
・京都丹後鉄道:丹後あかまつ号(5月29日まで)、丹後くろまつ号 大人のスイーツコース、丹後地肴コース(5月31日まで)
・大井川鐵道:きかんしゃトーマス号(6月15日まで)
【当面の間運休】
・JR西日本:観光列車全列車
・小湊鉄道:房総里山トロッコ列車
・いすみ鉄道:土休日運転の急行列車
・富士急行:富士登山電車
・のと鉄道:のと里山里海号
・平成筑豊鉄道:北九州銀行レトロライン
・南阿蘇鉄道:トロッコ列車(一部ダイヤは一般車両で代替運転)
・鹿児島市交通局:観光電車「かごでん」定期観光コース(車両は一般列車で運転)
なお、新型コロナウイルス感染防止によるものではありませんが、秩父鉄道が運行するSL「パレオエクスプレス」は、けん引機関車の検査のため、2020年度の運転予定はありません。