3月27日、小田急多摩線が延伸
多摩ニュータウンへのアクセス線として整備された小田急多摩線。多摩ニュータウン以西の延伸計画のうち、その一部にあたる小田急多摩センター~唐木田間がこの日開業しました。
当初の延伸計画は、多摩ニュータウン西部地区のうち、南側を通って橋本駅をめざすものでした。その後、住宅・都市整備公団(当時)が建設した小山田界隈のニュータウンを経て、横浜線の矢部駅にアクセスする計画に変更しましたが、自治体による小山田地区の緑地保全が優先されたことなどから計画の具体化が進まず、今日に至っています。小山田地区の入口にあたる唐木田駅まで延びてからはや30年。延伸計画自体は存続し、現在は相模原駅方面に向けた整備が自治体で検討されています。
筆者は、延伸開業から3日後の3月30日に唐木田駅を訪ねました。ホームやコンコースなどに祝賀の装飾が施されていたのと、改札付近に「祝 竣功開通」の看板が出ていたほかは、目に付くものはなく、駅周辺にも目立つ建物はありませんでした。駅を行き来する人も少数で、記念きっぷもまだ残数がありました。駅舎は立派なものでしたが、総じてローカルな印象を受ける駅でした。
その年は、唐木田駅を経由する臨時の特急ロマンスカーが運転されました。春には「江ノ島・鎌倉エクスプレス」、夏には「湘南マリンエクスプレス」が運行。新駅開業を祝う記念列車という見方もできそうですが、詳しいことはわかりません。筆者は8月19日に、藤沢駅から経堂行きの湘南マリンエクスプレスに乗りました。3000形「SSE」で、新百合ヶ丘駅、唐木田駅での方向転換を体験。思い出深い旅となりました。