Googleマップなどで閲覧できる空中写真。これを見ていると、時折どこか妙な「線」に出会うことがあります。周りの道路とは違う線形をした道路や、道路ではない謎の路盤……。もしかすると、それは鉄道路線の廃線跡かもしれません。
なかなか外出ができないこのご時世。こんな時は、ネットを活用した家の中での廃線跡探索はいかがでしょうか?
空中写真で廃線跡を探検
利用客の減少や貨物輸送の終了による路線の廃止、あるいは線路の付け替えによって鉄道施設としての役目を終えた路盤は、線状の空き地となって残されます。
廃線跡の再利用方法としては、「道路やサイクリングロードへの転用」「建物の建設」「駐車場や駐輪場などへの転用」などが見られます。また、特に地方においては、廃線跡を転用せず、線路や設備を撤去したまま放置することもあります。再開発や区画整理によって廃線跡が跡形もなく消滅することもありますが、廃線跡を単独で活用する、あるいは放置している場合は、かつての線形を留めている例が多くみられます。
そんな空間を探すには、Googleマップや国土地理院のウェブサイトで閲覧できる空中写真がうってつけ。駅から伸びる、他の道路よりも妙に緩いカーブを描く細い道路や、現役線から枝分かれするような謎の空き地、他の家とは異なる向きに建てられた線状の家屋群など、「これはもしや……」と思える空間に出会えます。
総武本線の物井~佐倉間、有名撮影地「モノサク」の近辺では、1968年の電化・複線化にあわせ、一部区間の線路が付け替えられました。このエリアを空中写真で見てみると、かつての路盤が今も大部分で残されているのがわかります。
廃線跡だけではなく、未成線の跡地と出会うことも。
名古屋市の港区~熱田区~南区にかけては、かつて西名古屋港線(現在のあおなみ線)と笠寺駅を結び、東京方面から名古屋貨物ターミナルに乗り入れることができる「南方貨物線」が計画されていました。高架橋は大部分が建設されましたが、完成前に工事は凍結。そのまま放棄され、未成線となった貨物線です。空中写真では、このような幻の路線の遺構も、手軽に確認できます。