今となっては走行シーンを見ることのできない車両の数々。今から30年前の1990年は、京成電鉄の初代AE形電車、小田急電鉄の3000形「SSE」など、関東大手私鉄で一世を風靡した車両がなお現役で、当たり前のように走っていました。
30年前(平成2年)を振り返るシリーズ。今回は主に関東、東北の鉄道風景を、車両を中心にご紹介します。
JR東日本では、「スーパービュー踊り子」用の251系が同年4月にデビューした一方、国鉄時代からの特急形電車も花盛り。「あずさ」用の183系は、グレードアップ改造などを経て、中央本線で引き続き活躍中でした。
一般形車両で特筆されるのは、旧型国電車両のクモハ12形が鶴見線で活躍していたことが挙げられます。その後、同車両は1996年3月に引退。原型のモハ31形からの年数は実に60年以上に及びます。よくぞ走り続けたものだと思います。
会津鉄道では、同年10月の会津高原(当時)~会津田島間の電化を控えた中、夏の行楽シーズンは気動車が全面的に運行。筆者は7月最終日に会津高原駅から会津若松駅まで全線を乗車しました。この時に乗ったのはAT-200形。イベント用車両ということもあり、楽しく快適な旅だったのを覚えています。
ここに挙げた車両形式は、保存車両を見ることができるものも一部ありますが、走る姿はいずれも過去の話。現役だった際に乗車できたのは実に貴重な体験だったと今改めて感じます。
懐かしの車両2選
形式としてはまだ存続していても、すっかり懐かしい感じになっている車両もあります。常磐線では国鉄末期に登場した415系1500番台が中距離電車の顔として走り、当時は上野~土浦間などでおなじみでした。
江ノ島電鉄では、レトロな趣の300形が1990年も堂々健在。同年4月に運転を始めた2000形との新旧横並びといったシーンを見ることができました。