同形式でも違う仕様
川崎と立川を結ぶ南武線では、E233系が主力車両。6両編成36本が運用されています。この36本のうち、最後に投入されたN36編成は、他の新造された35本とは異なり、青梅線・五日市線から転属してきた車両です。
南武線では、それまで活躍していた205系や209系を置き換えるため、2014年から2015年にかけて、E233系8000番台が新製投入されました。しかしながら、計画されたE233系の投入本数は35本のみ。1編成のみ余る形となった209系ナハ53編成は置き換えられることもなく、同線で引き続き活躍していました。
このナハ53編成の置き換えには、青梅線・五日市線で活躍していたE233系0番台を捻出し、対応することとなりました。両線から転用された青670編成は、ドア上のデジタルサイネージを変更するなど、8000番台と仕様を揃える工事を受け、8500番台に改番。2017年3月に、南武線での営業運転を開始しました。
N36編成は、8000番台と仕様が揃えられたとはいえ、0番台の特徴も有した車両となっています。列車番号の表示位置が先頭車両上部の行先表示器内となっている、電気連結器を装備している、半自動ドアのスイッチが残されている、などなど。ぱっと見は他の車両と同じですが、よく見ると違う部分があるという、趣味者には注目される編成です。