直通列車から外れた異端児
東武東上線で活躍する9000系は、池袋口の地上線のみならず、地下鉄有楽町線や副都心線、東急東横線などへの直通運転にも使用される、東上線のオールラウンダーです。この直通対応車両の9000系において、唯一地上線のみで使用されているのが、9101編成です。
9000系の試作車として1981年に落成した9101編成は、後に落成した9102編成以降とは、扉位置などの車体寸法が異なっています。このため、副都心線に設置されたホームドアに対応することができず、地下鉄直通運用から外れることとなりました。
9000系9102編成以降と、9000系の改良版である9050系は、直通対応工事にあわせてリニューアル工事を受けており、行先表示機がフルカラーLEDになるなど、外観を一新しています。一方、地上線専用車となった9101編成は、大きく手を加えられることがなく、現在も幕式の行先表示機を装備した姿で活躍中。他の9000系とは異なる、少しレトロな車両となっています。