鉄道コム

未来の鉄道路線

宇都宮と横浜で建設中! 各地で工事が進む新路線たち

2021年1月30日(土) 鉄道コムスタッフ 西中悠基

約75年ぶりの「新しい路面電車」、芳賀・宇都宮LRT

かつて高度経済成長期には、「道路交通の邪魔になる」として、各地で廃止が進められた路面電車。しかしながら、近年は輸送量や環境性能などが見直され、2020年3月には富山駅の南北を結ぶ区間が開業するなど、再評価が進められています。

そんな路面電車、あるいは次世代型路面電車「ライトレール (LRT)」として、建設が進められているのが、宇都宮市と芳賀町を結ぶ「芳賀・宇都宮LRT」です。

北関東で建設が進む「芳賀・宇都宮LRT」の車両(画像:宇都宮市)
北関東で建設が進む「芳賀・宇都宮LRT」の車両(画像:宇都宮市)

芳賀・宇都宮LRTは、宇都宮駅の東口から、芳賀町の本田技研工業研究所前までの間、約14キロを結ぶ予定の路線。既存路線の延長や活用ではない、完全新規路線として路面電車が建設されるのは、1948年に開業した現在の万葉線以来、約75年ぶりとなります。

この路線の特徴は、市街地では道路上を、郊外では専用の軌道(厳密には線路のみを敷設した道路)を走ること。市街地ではバスのように集客でき、郊外では道路と分離することで速達性を向上します。全区間の所要時間は、各駅停車が約44分。このほか、平日ラッシュ時には快速列車が設定される予定で、こちらは約38分で走行します。

なお、路面電車の最高速度は、軌道法で時速40キロと規定されています。芳賀・宇都宮LRTでも、開業時点では全区間で最高速度を時速40キロとする予定。しかしながら、この路線を運営する予定の宇都宮ライトレールでは、将来的には道路上では時速50キロ、専用軌道では時速70キロで運転するとの目標を掲げています。

2021年1月時点では、宇都宮駅前や栃木県道64号線上などで工事が進行中。清原工業団地内では、すでにレールが敷設されている箇所もあります。宇都宮市は、整備区間の約8割で工事が進行中としています。

停留所の工事が進む清原工業団地内のルート予定地(2020年12月撮影)
停留所の工事が進む清原工業団地内のルート予定地(2020年12月撮影)
鬼怒川を渡る橋りょうの工事も進んでいます(2020年12月撮影)
鬼怒川を渡る橋りょうの工事も進んでいます(2020年12月撮影)

芳賀・宇都宮LRTの開業は、2023年春を予定。さらに宇都宮市では、宇都宮駅より西側、東武宇都宮駅方面へと路線を延長する計画も検討しています。

 

鉄道コムの最新情報をプッシュ通知でお知らせします無料で受け取りますか?

アンケート

このリポート記事について、よろしければ、あなたの評価を5段階でお聞かせください。

関連鉄道リポート

関連鉄道イベント情報

関連鉄道未来ニュース

鉄道コムおすすめ情報

画像

登場時デザイン撮影会で

京急600形30周年にあわせた撮影会が12月に開催。600形デビュー時デザインが撮影会限定で復活。

画像

東武の車両「記録推奨度」

この車両、いつまで走る? 引退が危ぶまれる車両や、見た目が変わりそうな車両をご紹介。今回は東武編です。

画像

4000系が「機関車風」塗装に

「西武秩父線開通55周年記念車両」11日運転開始。4000系をE851形を模した塗装に変更。

画像

撮影スタイルとレンズ選び

撮影スタイルにあったレンズ選びについて、プロカメラマンが解説! 今回は、高倍率ズーム・広角レンズ編です。

画像

京都鉄博に381系

12月12日~17日に特別展示。16日までは、一部で「スーパーくろしお」色ラッピングも実施。

画像

11月の鉄道イベント一覧

数百件の情報を掲載中。鉄道旅行や撮影の計画には、鉄道コムのイベント情報をどうぞ。