JR東日本は2月18日、房総各線向けに投入予定の新型車両「E131系」を、報道陣に公開しました。
E131系は、2021年3月13日のJRグループダイヤ改正にあわせ、営業運転を開始する車両。12本を投入する計画で、主に内房線木更津~安房鴨川間、外房線上総一ノ宮~安房鴨川間、鹿島線佐原~鹿島神宮間で運用される予定です。
車両は2両編成で、うち1両がモーター車の構成。2両編成での単独運転のほか、複数編成を連結しての営業運転にも対応しており、房総エリア向けの一般形車両としては、211系以来となる前面貫通扉を設置しています。
車体は、総合車両製作所のステンレス車両プラットフォーム「sustina」を採用。幅2950ミリの拡幅車体となっており、従来の209系よりも車内空間が広くなっています。運転席はE235系のような高い位置ではありませんが、衝突時にへこむ「クラッシャブルゾーン」を設置する衝撃吸収構造を採用。209系よりも万が一の衝突時における安全性を高めています。
車内は、乗務員室から数えて3番目・4番目のドア間にクロスシートを設置する、セミクロスシート配置。進行方向を向いて着座するニーズがある路線ということで、先頭車がセミクロスシートの209系より1両あたり1ボックス減少しているものの、セミクロスシートの採用を継続したということです。ちなみに同社では、乗車率に余裕がある路線という条件の下で、今後導入する車両へも、セミクロスシートの採用は検討していくとしています。
また、ロングシート部分についても、209系より改良。座席幅は約10ミリ拡大したほか、クッション性の向上、低座面化を図っています。
このほか、モーター非搭載の車両端部には、車いす対応のトイレを設置。加えて、両車両へのフリースペース設置、吊革の高さ改善、ホームとの段差低減など、209系よりもバリアフリーに配慮した車両となっています。
機器面で特筆されるのは、E131系はワンマン対応車両ということ。このため、各車両の端部には乗降確認カメラを設置。運転台上のモニターで、乗降状況が確認できます。また、客室内には防犯カメラを各車2か所設置。非常通話装置も設置し、ワンマン運転時の安全確保に配慮しています。
機器面ではこのほか、制御装置としてSiC素子採用VVVFインバータ制御装置を搭載。209系よりも省エネルギー化を実現します。また、長時間停車時の空調効果を改善するための「半自動ドア機能」を採用。ドア横に開閉用のボタンが設置されています。線路設備の状態を監視するモニタリング装置の搭載にも対応していますが、対象編成は12本中、最後に製造されるR11・R12編成の2本とのことです。
旅客向けの案内表示装置としては、車内には17インチの大型画面を、各車3か所のドア上に千鳥配置。車外の行先表示器は、フルカラーLEDを採用しています。
報道公開時の行先表示器は、「ワンマン 安房鴨川 外房線」と、「ワンマン 木更津 館山方面」の2種類が表示されていました。このうち、外房線の種別(ワンマン)部分は赤色、内房線(館山方面)の種別部分は青色という表示。かつて113系などで路線別に色分けしていたカラーリングと同じ系統色の表示となっていました。