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モバイル版の定期券やポイントサービス、新生活で役立つ乗車券の話

2021年4月5日(月) 鉄道コムスタッフ

いよいよ新年度、定期券の買い方は?

通勤通学に欠かせない定期券。この毎日のように使う定期券も、意外と知らないことがあるもの。今回は、初めて定期券を買う人も、定期券を使い慣れている人も、知っておくと便利なサービスなどをわかりやすくお教えします。

年度末の3月や年度初めの4月は、定期券発売所の最混雑シーズン。酷い時には、定期券発売所に1時間並んでやっと買えた……なんてことも。この混雑をできるだけ避けるためには、どうしたらいいのでしょうか?

少し前までは、定期券は「みどりの窓口」や定期券発売所などでしか購入できませんでした。しかし近年、都市部の駅では定期券購入機能つきの多機能券売機や、指定席や定期券が購入できる券売機が導入されており、窓口がある駅まで出向き、列に並ぶといった手間が解消されつつあります。

通勤定期券の場合は、多機能券売機などの自動券売機で購入することができます
通勤定期券の場合は、多機能券売機などの自動券売機で購入することができます

また、JR東日本と東急、京王、東京メトロ、相鉄、近鉄、大阪メトロ、阪急、遠州鉄道の各社では、インターネットで定期券の事前申し込みサービスを提供しています。インターネット上で必要事項を登録し、発行された番号などを券売機に入力するか、窓口の係員に告げるだけ。事前に定期券の金額がわかるほか、駅で申込書に記入する手間もないため、大変手軽です。

ただし、通学定期券の場合は、購入時に証明書の提示が必要なため、注意が必要です。また、この制約のために購入場所にも制限が。基本的には自動券売機での購入はできず、みどりの窓口や定期券発売所などの窓口に並び、購入する必要があるのです。こうした従来からの制限はありますが、先述の事前申し込みサービスは利用可能なほか、一部駅では、駅係員が通学証明書を確認した上で、自動券売機で通学定期券が購入できる場合もあります。こちらは全ての駅では実施していないのですが、まずは駅係員に相談してみるのもいいでしょう。このほか「話せる指定席券売機」や「みどりの券売機プラス」など、JRの一部駅に設置されている券売機では、オペレーターとの対話ができ、証明書類を確認できるカメラも設置されているため、通学定期券の購入も可能です。

ところで、定期券の発売開始日は、事業者にもよりますが、新規の場合は使用開始日の7日前、例えば4月1日から使用できる定期券は3月25日から、継続の場合は使用開始日の14日前、同じく3月18日から、というのが標準的です。証明書が必要な通学定期券の場合は難しいですが、通勤定期券の場合は、入学式が集中して通学定期券を求める学生で混雑する4月上旬を避けて購入するなど、この「前売り」を生かすのも、一種の混雑回避術です。

また、混雑する窓口を避けることも、行列回避につながります。新宿駅や大阪駅などの大規模ターミナル駅に設置されているみどりの窓口では、定期券以外にも列車の切符を求める利用者で混雑します。また私鉄の場合でも、都心部寄りの駅やターミナル駅では、多くの利用者が集中し、こちらも混雑が見込まれます。これらの駅を回避し、郊外の駅窓口へ出向くというのも、トータルで見れば時間の節約となる場合もあるかもしれません。

手軽に使えるモバイル版の交通系ICカード

近年、多くの都市圏で利用可能な交通系ICカードですが、関東圏ではこれに加え、スマートフォン(スマホ)版の交通系ICカードサービスも提供されています。「モバイルSuica」(Apple Pay版Suica)と「モバイルPASMO」(Apple Pay版PASMOを含む)です。

モバイルSuicaは、2006年にフィーチャーフォン向けにサービスを開始。2011年にはAndroid端末、2016年にはiOS端末でもサービスを開始しており、2020年9月には利用会員数が1000万人を突破するほどの普及具合となっています。

一方のモバイルPASMOは、Android版が2020年3月にサービスイン。iOS版は同年10月にサービスを開始したばかりの、まだまだ新しい存在です。

2020年にサービスを開始したモバイルPASMO
2020年にサービスを開始したモバイルPASMO

モバイルSuica・PASMOの便利な点は、スマホでさまざまな操作ができること。クレジットカードを登録しておけば、券売機不要でチャージできるほか、通勤定期券の購入も画面操作のみで可能。モバイルSuicaでは、Suicaグリーン券の購入もスマホ上で可能です。

では、モバイル版のICカードを使用したい場合、SuicaかPASMOか、どちらをメインとすればよいのでしょうか。いずれのエリアも相互利用可能で、基本的な利用サービスは変わらないことから、最寄り路線などの主に利用する路線が、JRであればSuica、私鉄やバスであればPASMOを導入した方が、恩恵を受けられるサービスが多くなる傾向にあります。

モバイルSuicaでは、先述したSuicaグリーン券の購入が可能なほか、JR東日本グループのポイントサービス「JRE POINT」のポイント還元といった、JR東日本が提供するサービスが利用可能です。

モバイルPASMOでは、Suicaグリーン券の購入は券売機を含めて不可能ですが、アプリ上でバス定期券の購入が可能(モバイルSuicaでは窓口のみの取り扱い)です。

また、両者に共通することとして、モバイルSuicaでPASMOエリアのみ、モバイルPASMOでSuicaエリアのみの定期券を購入することはできません。

なお、Android版のモバイルSuica・PASMOでは、一部の機種に限り、両者を共存させることが可能です。共存に対応しているのは、「Xperia 1 II」や「Pixel 5」など、ここ数年で発売された機種のみ。共存に対応していない機種ではモバイルSuicaかモバイルPASMOのいずれかしか利用できないほか、さらに旧型の一部機種ではモバイルPASMOそのものが非対応となっています。

一方、Apple Pay版のPASMOは、iPhone 8以降のiPhone、Apple Watch Series 3以降のApple Watchに対応。こちらはいずれの端末もSuica・PASMOの共存が可能となっています。なお、Suicaについては、日本国内で発売されたiPhone 7やApple Watch Series 2も対応機種となっています。

iOS版では、モバイルPASMOに対応する全ての端末で、モバイルSuicaとモバイルPASMOの共存が可能です
iOS版では、モバイルPASMOに対応する全ての端末で、モバイルSuicaとモバイルPASMOの共存が可能です
 

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