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よみがえった東武のSL「C11-123」、復活までの軌跡をたどる

2022年7月16日(土) 鉄道コムスタッフ 西中悠基

2年を掛けて修繕されたボイラーが帰還

次に鉄道コムが取材したのは、2021年5月26日。修繕のために外部へ搬出していたボイラーが、南栗橋車両管区に搬入された日でした。

この間に流行した新型コロナウイルスの影響で、SL動態復元作業の完了予定は、当初の2020年冬から2021年冬へと1年後ろ倒しとなっています。また、東武鉄道は2020年、真岡鐡道で活躍してきたC11形325号機の導入を発表。動態復元を進めてきたSLと、既存のC11形207号機をあわせ、SL3両体制を目指すこととなりました。

また、2020年11月には、復元作業中の車両を「C11形123号機」とすることも発表されています。同社創立123周年を迎える2020年がSL事業の転換期を迎えることと、日本国内で唯一、同一形式による3機体制を実現することから、1→2→3(ホップ、ステップ、ジャンプ)と、将来に向かって更なる飛躍を車両番号で表現すべく、この番号が命名されました。

大阪の「サッパボイラ」で修繕された123号機のボイラー。2018年からは見違えるほどの姿となりました
大阪の「サッパボイラ」で修繕された123号機のボイラー。2018年からは見違えるほどの姿となりました
クレーンで釣り上げられるボイラー
クレーンで釣り上げられるボイラー
ボイラーの搬入が完了
ボイラーの搬入が完了
ピカピカになったボイラーの側面
ピカピカになったボイラーの側面
レバーやバルブ類もピカピカの状態に
レバーやバルブ類もピカピカの状態に
こちらは「火室」の内部。石炭を燃焼させる部屋で、営業運転時の温度は約1500度に達するといいます
こちらは「火室」の内部。石炭を燃焼させる部屋で、営業運転時の温度は約1500度に達するといいます
ボイラー先端にある「煙室」の内部。走行時にはここを蒸気が通ります
ボイラー先端にある「煙室」の内部。走行時にはここを蒸気が通ります

ボイラーの修繕を担当したのは、大阪のボイラー製造メーカーであるサッパボイラ。JR東日本のC61形20号機やJR西日本のD51形200号機など、全国のSLのボイラー修繕に携わってきた実績を持つ会社です。

修繕作業中の様子。初めて水圧を掛けた際には、水が漏れてしまいました(画像:東武鉄道)
修繕作業中の様子。初めて水圧を掛けた際には、水が漏れてしまいました(画像:東武鉄道)
ボイラー中央部の「罐胴」は、新たに製造した部品に交換されました(画像:東武鉄道)
ボイラー中央部の「罐胴」は、新たに製造した部品に交換されました(画像:東武鉄道)
作業完了前の検査を受けるボイラー(画像:東武鉄道)
作業完了前の検査を受けるボイラー(画像:東武鉄道)
ボイラーを支える台枠。こちらは南栗橋車両管区で修繕作業が進められていました
ボイラーを支える台枠。こちらは南栗橋車両管区で修繕作業が進められていました
 

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