相鉄・東急直通線以外にも新線が 路線の動き
相鉄・東急直通線やうめきたエリアの他にも、2023年にはさまざまな路線の開業が予定されています。
3月には、福岡市営地下鉄七隈線が、博多~天神南間で延伸します。2005年に開業した七隈線ですが、他路線との乗換駅である天神南駅は、空港線の天神駅からは500メートルほど離れており、徒歩での連絡が必要となっていました。今回の延伸開業で、空港線との接続駅は博多駅となり、長い距離の徒歩連絡は解消されることとなります。
8月には、宇都宮ライトレールの開業が予定されています。この路線は、宇都宮駅東口と芳賀町を結ぶもの。これまで路面電車が敷設されていなかった地区での新規路線開業は、約75年ぶりのこととなります。
ライトレールは、次世代型の路面電車のこと。宇都宮ライトレールでは、開業時は他の路面電車と同じ最高時速40キロの運転ですが、今後はさらなる高速化、優等列車の運転など、高規格路線にふさわしい運転体系を検討しています。
2023年夏には、JR九州が日田彦山線BRTの運行を開始します。日田彦山線は、2017年7月の九州北部豪雨で被災し、添田~夜明間の運休が続いてきました。この日田彦山線の線路の一部を専用道に転用して走るのが、この日田彦山線BRT。東日本大震災で被災し転換された気仙沼線・大船渡線のように、鉄路の代替として、かつ鉄道時代よりも駅を増やして利便性を向上し、走ることとなります。
一方で、路線廃止という残念な予定も。JR北海道は、3月31日の営業を最後に、留萌本線石狩沼田~留萌間を廃止します。
留萌本線は、かつては深川~留萌~増毛間を結んでおり、急行列車や「SLすずらん号」「ノロッコ号」といった観光列車も運行されていました。しかし、利用客の減少によって赤字が拡大し、JR北海道が路線廃止の方針を表明。自治体との協議によって、順次廃止されることが決定しています。
留萌~増毛間は、2016年12月に廃止。石狩沼田~留萌間も2023年4月1日付で廃止され、残る深川~石狩沼田間も、2026年3月で廃止とする方針が立てられました。「本線」を名乗る路線が全廃となるのは、1989年廃止の名寄本線以来2例目となる予定です。