カメラとレンズは切っても切れない恋人のようなもの!
前々回とその前の「助川康史の『鉄道写真なんでもゼミナール』」では、「カメラを知ると鉄道写真はもっと面白くなる!」と題し、デジタル一眼レフやミラーレス一眼の性能を理解し、機能を使いこなす方法をご紹介しました。
初めてカメラを手にしたときは、カメラのどの機能を使って撮影して良いのか、誰しもがわからないことだらけです。しかし、説明書やインターネットなどの情報を元に、少しずつカメラを理解していくことが大切です。まるで恋人と付き合い始めて、徐々に表だけでない人となりを理解していくところに似ています(笑)。その上で、自分の撮影スタイルに合わせ、必要な機能を使いこなしていくのです。
もちろん、カメラによっては得意不得意な部分はあります。それを理解して、自分の判断でカメラをカバーする技術を磨き、素晴らしい作品を作り上げるのです。それはまるで恋人から伴侶となり、二人三脚で歩んでゆく人生の如くです(笑)。
私は、カメラをよく「相棒」と言っています。主従関係ではなく、カメラを理解して自分の技術との相互作用で正確無比で確実な写真、そして想像以上の作品を生みだすものと思っています。
しかし、ここで忘れてはならないものがあります。そう、レンズです。ピンホールカメラなどの特殊な場合を除き、カメラがあってもレンズが無ければ、作品どころか記録的な写真も撮れません。まさに、カメラとレンズは切っても切れない恋人のようなものなのです!
さて、ほとんどのカメラは、コンパクトカメラや「ネオ一眼」と呼ばれるレンズ一体型のカメラと、一般的なデジタル一眼レフやミラーレス一眼のようなレンズ交換式カメラの2つに分けられます。
レンズ一体型カメラのメリットは、レンズ交換の煩わしさが無く、手軽なこと。レンズ交換が無いので、埃がイメージセンサーに付く可能性がかなり低いのも特筆すべき点です。難点は、装着されているレンズ以上の広角や望遠撮影ができないことです。
片や、レンズ交換式カメラのメリットは、バラエティーに富んだレンズをユーザーが自由に選ぶことができ、自分の撮影スタイルにも反映しやすいこと。より美しい作品を生み出す大きな要因にもなります。難点と言えば、こだわればこだわるほど所有レンズ本数が多くなり、機材が重くなること。また、レンズ交換時にセンサーにゴミが付く可能性が高くなるということ。そして何より、お値段が……(笑)。
ということで今回は、レンズ交換式カメラを購入する時や、購入後に一番悩むレンズ選びのヒントになればということで、「撮影スタイルに合ったレンズを選ぼう!」と題し、鉄道写真の場面や撮影スタイルに合わせたレンズのお話しをしようと思います。
単焦点レンズかズームレンズか……
レンズ選びで悩むとすれば、まず「単焦点レンズ」と「ズームレンズ」のどちらを選べば良いのだろうかと考える人もいると思います。ただこれは、どちらかというと写真作品に対してこだわりが強い人の悩みかもしれません。
では、それぞれのレンズのメリットとデメリットを比較してみましょう。
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単焦点レンズやズームレンズ、高倍率ズームレンズに広角レンズ、どう選べば? プレミアム会員に登録すると、さまざまなレンズについての解説がご覧になれます。
単焦点レンズのメリット固定焦点域だからこその超高画質。ズームレンズよりも明るいF値(絞り)。フレアやゴーストが発生しにくい少レンズ構成枚数。マクロレンズなどの特殊レンズのラインナップ。単焦点レンズのデメリット的確なフレーミングには撮影者の動きが重要。様々な場面に対応するため各焦点域のレンズが必要。ズ