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「ドクターイエロー」だけじゃないぞ! 東海道・山陽新幹線以外にもいる「検測車両」のなかまたち

2025年1月18日(土) 鉄道コムスタッフ 西中悠基

1人2役? 東急電鉄の「TOQ i」

私鉄でも「ドクターイエロー」のような車両は存在しています。

東急電鉄では、7500系「TOQ i」(トークアイ)を運用中。これらは架線の検測機器を搭載した単行運転可能車両で、2両が存在しています。さらに、軌道検測車「サヤ7590形」も存在。検測時は、これら3両で編成を組んで走行しています。

東急電鉄の7500系「TOQ i」。検測作業のほか、画像のように車両をけん引する作業にも使われています
東急電鉄の7500系「TOQ i」。検測作業のほか、画像のように車両をけん引する作業にも使われています

また、「TOQ i」車両は検測業務だけでなく、車両のけん引などにも使われることが特徴。池上線・東急多摩川線用の一部車両が長津田の車両工場に入出場する際にけん引役を務めるほか、車両基地内の入換作業に使われることもあります。

相模鉄道の改造事業用車「モヤ700」

相模鉄道のモヤ700形は、旅客車両の7000系を改造した車両。2両編成2本が存在し、うち1本が検測機器を搭載しています。この車両は、検測業務のほか、東急のTOQ iと同様に、車両基地内外の入換・けん引作業などで使われています。

相鉄7000系を改造したモヤ700形。画像は2両編成2本を連結した状態のもので、手前が検測機器の搭載編成です
相鉄7000系を改造したモヤ700形。画像は2両編成2本を連結した状態のもので、手前が検測機器の搭載編成です

小田急電鉄の「テクノインスペクター」

小田急が保有する検測車両が、2003年に落成したクヤ31形。「TECHNO-INSPECTOR」(テクノインスペクター)の愛称を持ちます。

小田急電鉄の「テクノインスペクター」。自走はできないため、走行時は画像のように8000形と連結しています(関東私鉄chさんの鉄道コム投稿写真)
小田急電鉄の「テクノインスペクター」。自走はできないため、走行時は画像のように8000形と連結しています(関東私鉄chさんの鉄道コム投稿写真)

クヤ31形は、導入当時製造されていた3000形に似た見た目。ただし、「TOQi」のように自走はできず、他の車両にけん引される形でしか走行できません。けん引車両は、2021年以前は1000形、同年以降は8000形。残念ながら、見た目が似ている3000形と連結して検測を実施したことはありません。

京王電鉄の総合高速検測車「DAX」

京王電鉄では、クヤ900形総合高速検測車「Dynamic Analytical eXpress」、略して「DAX」(ダックス)を保有しています。

DAXは、小田急のテクノインスペクターと同様、自走できないタイプの検測車両です。ただし、小田急の車両とは異なり、DAXは事業用車両と編成を組み走行します。デビュー時は6000系改造のデワ600形に組み込まれていましたが、2016年以降は9000系ベースのクヤ901・902形と連結する形となっています。

異なるレール幅にも対応する近鉄「はかるくん」

近畿日本鉄道が使用している検測車が、モワ24系「はかるくん」です。一般型車両の2410系を改造した2両編成の車両で、電気・信号・通信設備の検測が可能となっています。

近鉄の検測車「はかるくん」(右)(iwafunemoriさんの鉄道コム投稿写真)
近鉄の検測車「はかるくん」(右)(iwafunemoriさんの鉄道コム投稿写真)

近鉄では、南大阪線・吉野線が狭軌、その他の各線が標準軌と、2つのレール幅を使用しています。はかるくんは、この双方のレール幅に対応しているのが特徴。所属は標準軌区間の車両基地ですが、台車を交換することで南大阪線や吉野線を走行することも可能です。ただし、これに対応するのは、2両編成のうち検測機器を搭載した1両のみ。この車両にはモーターが搭載されておらず、これでは自走することができないため、狭軌路線では他の車両にけん引される形で走行しています。

西鉄の黄色い電車「911編成」

西日本鉄道では、検測業務に使用できる車両として、911編成を運用しています。

この編成は、一般型車両の5000形を改造し、2014年に登場。架線の検測設備を搭載しています。また、事故発生時の救援車両としての役目もあり、一部車内には作業用のクレーンを設置しています。

911編成の導入前、西鉄ではモエ901-クエ902という2両編成の事業用車を、検測・救援車としていました。600形を改造したこの車両は、貝塚線の旧型車両を置き換えるため、なんと旅客車として復活することに。その代替として改造されたのが、現在の911編成です。

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