かつて日本全国を走った蒸気機関車(SL)。今も現役で活躍するSLは少なくありませんが、場所によっては遠い存在で、東京都内からだと秩父鉄道の「SLパレオエクスプレス」、真岡鐵道の「SLもおか」、東武鉄道のSL「大樹」など、他県に足を運ぶ必要があります。
SLに乗ったり、走っているSLを見物したりとなると、遠出や旅行の感覚で、すぐにという訳にはいきません。ただし、SLを見るというレベルであれば、話は比較的簡単です。現役引退後、保存・展示されているSLは全国各地に点在し、都内にも複数のスポットがあります。
今回は、東京都23区内で見ることができるSLのうち、10例を紹介します。いずれも入園料などはかからず、間近に見物できるSLです。その歴史や展示形態はさまざま。夏休みの自由研究ネタとして、親子で訪ねてみるのもいいでしょう。
城北交通公園
板橋区にある城北交通公園には、D51形513号機が設置されています。同機の製造年月は、1940年12月。国鉄の大宮工場で造られ、信越本線、北陸本線などで活躍しました。走行距離は22万3098キロ。酒田機関区で現役生活を終え、1972年6月に廃車されました。城北交通公園に来たのは、1973年3月のことです。
付近には交通資料館もあり、9時~16時に開館。SLを間近に見物できるのも同じ時間帯になります。
同園では、D51のほかにミニSL「ベビーロコ号」も保存、展示されています。
所在地:板橋区坂下2-19-1
飛鳥山公園
北区の飛鳥山公園の一角には、D51形853号機が展示されています。1943年8月、国鉄の鷹取工機部で製造され、関西や新潟エリアで活躍。1972年6月の引退までに走った距離は、194万2471キロに及びます。
D51の近くには、都電6000形6080号車も展示されています。
所在地:北区西ヶ原2-16
北鹿浜公園
足立区の北鹿浜公園には、C50形75号機があります。1929年12月、川崎車輛で製造され、豊岡、湊町など関西エリアの各機関区に所属。中距離用の小型テンダー機関車で、旅客用のほか、貨物用、構内入換用などで活躍しました。走行距離は、約205万7000キロ。1971年3月に廃車となり、足立区に来ました。
同園には、C50などを紹介するパネルや鉄道模型を展示する建物のほか、ミニ列車が走る交通広場などもあります。
所在地:足立区鹿浜3-26-1
大塚台公園
豊島区の大塚台公園には、C58形407号機が保存されています。同機の製造年月は、1946年12月。汽車製造大阪工場で造られ、松前線、江差線など北海道で活躍しました。約93万2800キロを走り、引退。大塚台公園には、1974年5月に来ました。
所在地:豊島区南大塚3-27