鉄道コム

日本で「最も速い」列車とは? 新幹線と在来線の「表定速度」2024年版ランキング

2024年5月3日(祝) 鉄道コムスタッフ 西中悠基

試験車両ではさらに速い記録も!

営業列車ではなく、試験車両などを含めた最高速度記録では、時速603キロというものがあります。これは、JR東海の超電導リニア、L0系が2015年に記録したもの。国内のみならず、世界の鉄道最高速度記録でもあります。現在、工事に関して問題が続いているリニア中央新幹線ですが、営業運転時の最高速度は時速500キロとなる予定。先の速度記録よりは控え目ですが、それでも地上を走る公共交通機関としては国内最速となる見込みです。

時速603キロの速度記録を持つ超電導リニア
時速603キロの速度記録を持つ超電導リニア

レールの上を走る鉄道車両の国内記録は、1995年に「300X」ことJR東海の955形が記録した、時速443キロというもの。300Xは、300系以降の車両開発のためにJR東海が開発した試験車両で、今に至るまで同社が導入した唯一の試験専用形式(検測車ではない実験フィールド車両として)となっています。

「リニア・鉄道館」で展示されている300X(左)とMRX01-1(右)
「リニア・鉄道館」で展示されている300X(左)とMRX01-1(右)

また、現在は特急「やくも」で活躍し、2024年6月には定期運転を終了する予定の381系も、速度記録の保持形式です。1985年に湖西線で実施された速度試験で、381系は時速179.5キロという速度を記録。国内の狭軌車両としては現在でも最速の記録となっています。なお、この記録は世界の狭軌鉄道での最速記録とされることもありますが、南アフリカ共和国の狭軌鉄道で、381系より上の速度記録を達成したという情報もあるようです。

SLにおいては、1954年にC62形27号機が記録した、時速129キロというものが国内最速。もともと速度を達成するための試験ではなく、橋の強度テストの一環で速度を向上した結果だったといいます。このC62形17号機と、先の300Xは、ともにJR東海の「リニア・鉄道館」に保存されており、当時国内最速記録だった時速581キロをマークした超電導リニア「MLX01-1」とともに、「高速鉄道技術の進歩」のシンボルとして展示されています。

余談ですが、他の乗り物の最高速度を見ていくと、自動車では新東名高速道路や東北自動車道などの制限時速120キロが最速。制限速度ではなく車両のスペックで見ると、レクサス「LFA」、日産「GT-R」などが時速300キロ超のパフォーマンスを持っています。

最高時速300キロ超の性能を持つという日産「GT-R」
最高時速300キロ超の性能を持つという日産「GT-R」

飛行機では、周囲の空気の流れと比較した「対空速度」、地表と比較した「対地速度」と、複数の速度指標がありますが、対地速度で見ると、条件によっては旅客機でも巡航中は時速1000キロに達することもあるようです。船では、大型フェリーでは時速30~50キロ程度が一般的。ただし、それ以上の速度を出せる高速船も存在し、たとえばボーイングや川崎重工業が製造した「ジェットフォイル」は、最高時速80キロ超の性能を有しています。

離着陸時には時速250~300キロ程度を出す旅客機。条件が良いと、巡航中の対地速度では時速1000キロ超えとなることも
離着陸時には時速250~300キロ程度を出す旅客機。条件が良いと、巡航中の対地速度では時速1000キロ超えとなることも
高速船の一つ「ジェットフォイル」。最高時速80キロ超の性能を有しています
高速船の一つ「ジェットフォイル」。最高時速80キロ超の性能を有しています
 

鉄道コムの最新情報をプッシュ通知でお知らせします無料で受け取りますか?

鉄道コムおすすめ情報

画像

登場時デザイン撮影会で

京急600形30周年にあわせた撮影会が12月に開催。600形デビュー時デザインが撮影会限定で復活。

画像

東武の車両「記録推奨度」

この車両、いつまで走る? 引退が危ぶまれる車両や、見た目が変わりそうな車両をご紹介。今回は東武編です。

画像

4000系が「機関車風」塗装に

「西武秩父線開通55周年記念車両」11日運転開始。4000系をE851形を模した塗装に変更。

画像

撮影スタイルとレンズ選び

撮影スタイルにあったレンズ選びについて、プロカメラマンが解説! 今回は、高倍率ズーム・広角レンズ編です。

画像

京都鉄博に381系

12月12日~17日に特別展示。16日までは、一部で「スーパーくろしお」色ラッピングも実施。

画像

11月の鉄道イベント一覧

数百件の情報を掲載中。鉄道旅行や撮影の計画には、鉄道コムのイベント情報をどうぞ。