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日本で「最も速い」列車とは? 新幹線と在来線の「表定速度」2024年版ランキング

2024年5月3日(祝) 鉄道コムスタッフ 西中悠基

在来線最速も表定速度は高くない?

在来線の表定速度も見ていきましょう。

新幹線以外で最も表定速度が高い列車は、大阪~敦賀間の特急「サンダーバード」です。最速となる「サンダーバード」31・35・39号は、同区間136.9キロを1時間20分で走破し、表定速度は時速103キロに達します。2024年現在、表定速度が時速100キロを超える在来線特急は、この「サンダーバード」のみとなっています。

表定速度では在来線最速の特急「サンダーバード」
表定速度では在来線最速の特急「サンダーバード」

ちなみに、北陸新幹線金沢~敦賀間が延伸開業する前の2023年度版のランキングでも、「サンダーバード」は在来線で1位でした。ただし、当時の「サンダーバード」37号の表定速度は時速106キロ。新幹線延伸後では、わずかながら数値を落としています。

2位以降では、「ソニック」、「ライラック」・「カムイ」、「ひたち」といった列車がランクイン。いずれも、特急列車が高頻度かつ高速で運転される路線を走るものです。特に「ライラック」・「カムイ」、「ひたち」は、線形が良い路線でスピードを落とすことなく走るため、高い表定速度を記録しやすい列車です。

5位には、名古屋・米原~敦賀間の「しらさぎ」がランクイン。米原~敦賀間を30分で結ぶ53、59、61、63号が最速で、表定速度は時速92キロです。速い部類の列車ではあるのですが、新幹線延伸による運転区間の短縮(新幹線延伸前の運転区間は名古屋・米原~金沢間)で、表定速度を「稼げる」区間が短くなった結果、2023年度の表定速度、時速95キロから遅くなる結果に。上位10位以内であることに変わりありませんが、「ひたち」より下の順位となってしまいました。なお、新幹線延伸前の「しらさぎ」では、米原~敦賀間を28分で走破していた列車もあったため、同区間の最短所要時間も、わずかながら増えています。

在来線特急で5位となった「しらさぎ」。画像は、現在はIRいしかわ鉄道に経営分離された区間で撮影したもの。この場所のような表定速度を「稼げる」区間が短くなった結果、ランキングでは順位を落としました
在来線特急で5位となった「しらさぎ」。画像は、現在はIRいしかわ鉄道に経営分離された区間で撮影したもの。この場所のような表定速度を「稼げる」区間が短くなった結果、ランキングでは順位を落としました

6位には、近畿日本鉄道(近鉄)の名阪特急「ひのとり」がランクインしました。時速130キロで名阪間を結ぶこの列車は、日中時間帯の最速列車における所要時間は2時間5分。表定速度は時速91キロとなります。最高速度では「ひのとり」の上を行く「スカイライナー」ですが、表定速度は時速89キロで10位。京成上野~京成高砂間などで速度が抑えられるため、表定速度では在来線最速ではありません。

表定速度では私鉄最速の近鉄「ひのとり」
表定速度では私鉄最速の近鉄「ひのとり」

北陸新幹線延伸による北陸本線金沢~敦賀間の経営分離では、同区間の在来線特急が廃止されました。これにともなって、従来はランキング3位だった「ダイナスター」、7位だった「おはようエクスプレス」が消滅。「しらさぎ」の表定速度低下を含め、ランキングには大きな変動がありました。

一方で、北陸新幹線の延伸開業では、北陸本線の米原~敦賀間、ハピラインふくいの敦賀~福井間で、特急列車なみの速さをほこる快速列車が登場しました。こちらの表定速度も見ていきましょう。

北陸本線の快速列車は、新幹線延伸前に運転されていた特急列車のうち、新幹線延伸後は敦賀駅で接続する新幹線がなく廃止された「しらさぎ」上下各1本の代替として設定されたもの。下り(米原駅発)は朝、上り(敦賀駅発)は夜の運転です。途中停車駅はなく、上下ともノンストップの運転。米原~敦賀間45.9キロを32分で走破する下り列車の表定速度は、時速86キロとなります。在来線ランキングで7位となった「しらさぎ」には及びませんが、料金不要の列車としては、2024年現在は国内最速の列車です。ただし、本列車は毎日運転の臨時列車という扱い。臨時列車を対象外とする本ランキングでは、参考記録としての掲載に留めます。

ハピラインふくいの快速列車は、敦賀~福井間で計9本が運転されています。そのうち、夜間に走る上り(福井駅発)の2本は、54.0キロの区間を38分で走破。表定速度は時速85キロに達します。札幌~新千歳空港間46.6キロを最速33分で結ぶ特別快速「エアポート」と並び、料金不要の定期列車としては、国内最速の表定速度を記録する列車となります。

 

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