国鉄初の直流近郊型電車113系
国鉄初の直流近郊型電車として、1962年にデビューした111系。その111系のパワーアップ版として、翌1963年から製造されたのが113系です。
直流平坦線各線で運用され、一時期はJR東日本、JR東海、JR西日本、JR四国の4社で活躍した113系も、初期車の製造から50年以上が経過し、現在はJR西日本の吹田総合車両所京都支所、福知山電車区、岡山電車区のみに在籍。琵琶湖線、湖西線、草津線、山陰本線、舞鶴線、京都丹後鉄道線、山陽本線、伯備線、宇野線、赤穂線で活躍しています。
JR西日本では、2009年度より1色塗装の「地域統一色」への塗り替えを進めており、113系はすべてこれに統一済み。吹田総合車両所と福知山電車区の車両は、抹茶や「和」をイメージした深緑色に、岡山電車区の車両は、瀬戸内の太陽をイメージした黄色に塗装されています。
JR東日本のステンレス2階建てグリーン車や、JR四国の改造車、独特な形態を持ち「サンパチ」の愛称で親しまれたJR西日本の3800番台など、かつてはさまざまなバリエーションを持った113系。しかしながら、2021年現在も運用に就いているのは、3基地の計128両で、3000両弱が製造された113系も、いまや約4%が残るのみとなっています。
それでもなお、長期間活躍しただけあって、残存車もバリエーションはさまざま。福知山電車区の「前パン」装備車や、更新時期の差によって編成内で外観が異なる岡山電車区の車両など、細かい形態差は今もなお豊富です。
かつてはアーバンネットワークへの車両投入を優先していたJR西日本ですが、近年は広島地区や和歌山地区などへの新車投入を進めており、国鉄時代の旧型車は置き換わりつつあります。113系の置き換えに関する具体的な発表はありませんが、そう遠くないうちに置き換え時期が到来する可能性があります。