見た目は別でも中身は同じ JR九州の415系
国鉄初の交直両用電車として、そして国鉄初の近郊型電車として、1960年にデビューした401系・421系。当初は架線電力の周波数別に形式を作り分けていましたが、国鉄はこれを統一するために415系を開発。1971年に製造を開始しました。
かつては常磐線や水戸線でも運用された415系ですが、既にJR東日本からは撤退しており、2021年現在はJR九州のみが保有。鹿児島本線や日豊本線、山陽本線下関~門司間などで運用に就いています。
現在JR九州に残る415系は、その多くが211系のようなステンレス車体を持つ1500番台。また、鋼製車体を持つ100番台以降の車両も、そのほとんどがロングシートに改造されており、415系デビュー当時のようなセミクロスシートを残した編成は残りわずかとなっています。
なお、1986年から製造された1500番台は、外観こそ別形式のように見えますが、足回りは鋼製車を踏襲。界磁添加励磁制御を採用した211系とは異なり、制御方式は従来車同様に抵抗制御となっています。
鋼製車は老朽化が進み、置き換えが進んでいる415系ですが、JR九州が開発した車両は全て交流専用電車のため、交直切り換えが必要な下関~門司間の運用は、415系の独壇場となっています。今後も鋼製車を中心に置き換えが進められると思われますが、関門間の運用置き換えには、JR九州の新たな車両開発が待たれます。
ところで、同じ415系としてはJR西日本の800番台がありましたが、こちらは七尾線電化開業時に113系を改造して投入したもの。1964年製造という大ベテランの車両ということで注目を集めていましたが、2021年3月のダイヤ改正で521系に置き換えられ、運用を離脱しています。